この日も,小黒板に書かれた4つの文章題を示し,割り算になるものとかけ算になるものの弁別をさせます。単位量あたりが示されているものはかけ算になる,というイメージが少しずつ定着していきます。
1問がかけ算として除外され,残り3問の式を「四ます関係表」を使って確認します。そうすると,この日の計算は数字がかなり大きくなっています。そこで,
「今日は暗算では大変なので,これを筆算でやります。」
と,単刀直入に課題を設定しました。
こんな時間には,余計なことはせずに,ストレートに筆算手順を伝えていきます。その手順の中に,小数のわり算で学んだ約束がちりばめられています。わり算なので,筆算のかき方は整数と全く同じです。次に「小数点の移動」が必要になるのがこの筆算の特徴です。その時の移動は「わり算のきまり」にしたがって行う既習事項です。割る数の方だけ整数になるようにすればいいことを確認します。
筆算形式が導入されたので,まず3つのタイプの計算を一つずつやらせ,全体で確認する丁寧な指導をします。小数点の処理が新しい内容なので,この段階で「計算の難しさ」を感じさせないよう,仮商の修正がないような数値を選んでいます。この単元の難しさは,ほとんど「わり算筆算の難しさ」とイコールだからです。
導入し,簡単な確認ができれば,ここから先は個別学習です。小黒板に書かれた8問に取り組みます。この問題は,3つのタイプが順に出てくるようになっているので,仮に3問しかできなくても,一通りの筆算を行ったことになります。この8問には,答えもかかれていて,自分で確認しながら計算練習を進めていくことになります。
教科書の練習題に移ってもそのスタイルは同じです。