夏休み前に,3つの某国立大学附属小学校の研究会があり,参加させていただきました。どの学校も1本ずつの授業が見られました。最初の学校には,過去に1度参加させてもらったことのある学校です。また,授業をされた先生は,10年以上前,私の所に連絡があって「修士論文」を送らせていただいた方だったので楽しみに見せていただきました。
 授業は3年生の「余りのある割り算」でした。左のような「活用」問題です。よくあるのは「切り捨て」「切り上げ」問題だったり,「乗余系」を使う問題だったりする(これらは「商」の処理)のですが,今回は少しちがいました。条件と余りを使って「割られる数」を求める問題になっています。
 授業者の問題意識は「学び合い」重視の傾向から,「自分で考える」という部分が弱くなっているのではないか,ということでした。もっと自分一人で問題に向かっていくことを中心に授業構想されていました。問題を解決していくとき,今自分がどのような立ち位置にいるのかを意識させ,その時にどうするとよいのかを押さえながら進められていきました。そのため,タブレットを使って子どもたちの様子を教師が把握しながら進めていました。
 さて,この問題は丁寧に絵を描く必要があります。24個のアメだけを配れば,3人が4個,4人が3個なので,条件から考えると,「5個」という答えを見つけることができます。「12個」という答えも考えられますが,これだと「食べかけ」とはいわないので除去されます。ただ,児童によっては絵だけでなく,具体物の操作なども必要になると思います。
 さて,授業で気になったのは,子どもたちはタブレット上で絵を描き,考えを進めていました。それら「提出」したものから大画面に取り上げ,考え方を話し合うのはいいのですが,絵で描かれていることを黒板上で「操作」するのが,常に先生なのです。タブレットを使っていても具体的操作は必要です。一人ひとりが机の上でやらなくてもいいとは思いますが,せめて黒板上では子どもたちにやらせたいと感じました。
 素晴らしいと思ったのは,できた子どもたちが自分で「袋の数を変える」「1袋に入っている数を変える」「人数を変える」「余りなしにする」など,問題を変化させて考えていたところです。常にこのようなことができる「学び方」は身につけておいた方かいいのでしょう。素晴らしい子どもたちと,意欲に溢れた授業者の先生に感謝したいと思います。

 

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