研究授業に向けた「時間調整」のために,特設の「つばぜり合い」の授業を行いました。5年生の「割合」単元の活用問題ですが,6年生でも楽しめますし「文字を使った式」を学習しているのでさらに深い学習が可能となります。
2つの店があり「仲が悪い」という設定です。「500円引き」と「4割引き」をしていて,どちらの店で買う方が得なのかを考えてもらいます。モデルとして「辞書2500円」を考えてもらい,計算の仕方を確かめました。この場合はB店の方がお得になりました。残っているいろいろな金額の品物も計算してもらいます。
その結果「安いものはA店」「高いものはB店」という結論が出されました。さらに「1250円」という「損益分岐点」の話も出てきました。この段階で,どうしてこの差ができるのかを「割合」と「差」の話でやっていくこともできますが,次にやりたいことがあるのでそれは触れずに進めます。
ここでA店が,さらなる値引きを打ち出します。500円引きの後「さらに4割引き」と打って出るのです。それを聞いたB店の主人も対抗しようと4割引きのあと500円引きをしようとするのですが,店の奥さんに止められ,「300円引きに留める」という設定です。これならどちらの店がお得なのでしょうか。
辞書で調べてみると,「同じ金額」になりました。たまたまそうなったのではないかということで,残りの品物も男女で手分けしてい調べていきました。すると,何を買っても金額が同じになってしまうのです。これには子どもたちはびっくりです。そうなると,
「なんで同じになるんだろう。」
という疑問が出てきます。
そこで,辞書を求めた時の式を一つにまとめる「総合式」に表してみました。(これはこちらから投げかけた)一見すると全く違う式に見えます。しかし,
「こっちの式には300なんてないのにねえ。」
と促言を出すと,
「あっ,あった。」
という声が聞こえてきます。「500×0.6」という式が300に見えるのです。5年生ならこの話を膨らませればいいのですが,6年生なので,いろいろな金額を「x」と置いて式に表してみました。すると少し前に分数で学習した「分配法則」になっています。そんなことを『ノートにしゃべろう』に表現して授業は終了しました。