6月末研修の中学校の授業は,中2と中3のどちらも「式と計算」の授業でした。文字式を使って「不思議なこと」の理由を考えていこうとするものでした。
 中2の方は,「3桁の数を2回繰り返して作る6桁の数」(例 385385)の約数が何かを考えていく中で,文字式を使ってそうなる理由を考えていくものでした。6桁の数を「100000a+10000b+1000c+100a+10b+c」として式を「簡単にしていく」と約数が見えてきます。
 中3の方は,
「連続する偶数を2辺に持つ長方形の面積に1を足すとどうなるか。」
という課題からスタートし,それがその間の数が1辺になる正方形と同じ面積になる,いうことを見つけるものでした。私はこの問題を見て1を足すところに「不自然」を感じたので質問してみると,「教科書にある。」ということだったので,納得はしましたが,不自然感は拭えませんでした。
 この2つの教材は,どちらも私は小学校で扱ってきたものばかりです。6桁の数は,新年にいつも「計算おみくじ」と称してやってきたものです。「その様子はこちら」面積の方も,かけ算の発展として3年生で扱っている内容です。「その様子はこちら」
 小学校ではこれらの教材を通して「不思議さ」を味わうことが第一義です。「なぜ」の部分は,できる範囲で扱えばいいでしょう。私はいつも扱おうとして「どつぼ」にはまりますが。小学校で感じた不思議さを,文字式を使って中学校で納得・証明していくのが本来の「小中連携」だと思います。この学校ではそこが研究テーマなので,とてもいい研究ができていると感じました。
 地道な研究の進め方に敬意を表したいと思います。関係されたすべての方々に感謝したいと思います。

 

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