線対称図形の作図に進めます。「作図」という言葉は小学校では教えるべき内容ではありませんが,この程度の言葉はもっと早い段階で教えても問題ない言葉だと思います。
 まず,「升目黒板」の中に対称の軸と,その左側の図形が描かれているものを見せます。前時に性質を見出すときと同じことになっています。作図に入る前に,
「完成するとどんな形になると思いますか。」
と,概形を予想させます。子どもたちからは「家」という言葉が出てきました。このように作図前に大体の形をイメージしておくことが大切です。
 そのあとは,対応する点を見つけていきます。わざと一つの点を見つけないまま次に進めようとすることで,対応する点をすべて見つける必要があることを確認していきました。

 マス目がないときは,対称の軸に垂直になる直線を作図する必要があります。三角定規を組み合わせて垂直を取る方法を確認しました。
 なお,教科書では,半分の形が三角形になっているもので学習します。すると三角定規を使わなくても,コンパスだけでかけてしまいます。もちろんそのアイデアはいいのですが,作図の目的は「図形の性質を理解するため」であることを忘れてはなりません。三角形以外にしておけばそれを妨げることができるので,このようなことは授業者として配慮すべきことだと思います。
 その後は徹底練習です。プリントを用意しているのでそれを使ってどんどん作図していきます。升目のあるものからないものへつないでいきます。それを使いながら個別指導していきました。図形感覚のない児童は,マス目があってもそれほど簡単ではないようです。ここから先は,家庭学習などに委ねながら定着を図っていきます。

 

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