前時に円の半径を使って「正三角形」や「二等辺三角形」を作図してきました。本時はまず,半径30cmの円を描いた後,1本の直径を引きます。次に円周上に適当な1点を取り,直径の両端をつないで三角形を作ります。この時できる三角形を「直角三角形」にしよう,という活動を行いました。子どもたちから「直角三角形もあった」という声が上がったのでやってみることにしました。
「どこに点を取れば直角になりそうかな。」
と尋ねました。一人の児童が,
「真上にしたらいい。」
というので実際にどのあたりなのか,マグネットを置いてもらいました。この児童の気持ちはよく分かります。しかし周りの児童から,
「それだったら二等辺三角形だろ。」
という声が上がります。こちらの気持ちもよく分かります。すると別の児童が,
「その間だったらできそう。」
と言って,45度の位置にマグネットを置きました。これも気持ちが分かります。もう一人はさらにその間の22.5度あたりの位置に置きました。できそうかどうかを尋ねますがはっきりしないので,
「ノートにここぞという位置でやってみよう。」
と,個別にやらせてみることにしました。するとあちこちで,
「できた。」
という声が上がります。直角は「三角定規」を使って調べられます。黒板上のものも,多くの児童も直角三角形になっています。ここで,
「下に取ったらどうなるの」
という声も上がりました。これもやってみましたが,みんな直角三角形になりました。
こうして帰納的に,どこでも直角三角形になることをまとめました。どうしてなのかは中学の「中心角と円周角」で証明するのでしょうが,小学校でも6年生で実践したことがあり,十分可能です。「その様子はこちら」
実はこれを初めて発見したのは数学者の「タレス」です。この人の名前が今年の私のクラスの学級通信の題名になっています。「それはこちらを」3年生担任が決まり,通信の名前を考えるときにこのことを思い出して名付けたのです。
授業はその後,「直角二等辺三角形」という名前を教えたり,折り紙を使って二等辺三角形や正三角形を作ったりして終了しました。この日はややお遊びが過ぎた授業でした。