先週の土曜日は「算数を学ぶ会」を行う予定でしたが,台風14号の到来が予報されていたので,2日前に参加者に,「12時の段階で警報が出ていれば中止とする」旨を知らせておきました。当日天候は回復してきたのですが,12時の段階で「大雨警報」は解除されませんでしたので,中止とすることになりました。それでも学校に来られる先生がいるかもしれませんので,私は学校で待っていました。
すると1人の先生がやってきました。以前一緒に合学級で勤務した先生です。中止を残念がっていましたが,
「ちょっと1つだけ教えてください。」
と意欲的なので,学校の玄関先で話をしました。
教科書の左の問題です。この問題が難しくて理解するのが困難だったそうです。ところでこの問題を見て,
「○年生のあの場面の問題だな。」
と分かるでしょうか。
正解は6年生の「比」の単元です。読んだページと残りのページを「1:3」ととらえさせた上で「比例配分」の考えで答えを求める問題なのです。しかし私はこの問題に見覚えがありました。私の記憶が確かならば,「この問題は4年生の”何倍でしょう”の単元で扱われていた」はずです。
「家の高さの2倍が学校で,学校の3倍がデパート高さだ。」という問題で順々にではなく,オペレータをかけて6倍にして考えさせるんだ,という「割合もかけられる」のを扱った次の時間にこの問題があったのです。読んだページを1とすると残りは3,全部合わせて4になることを使うアイデアで,「元にする1倍と3倍を合わせて4倍になる」という「割合も足せる」ことを扱っていたのです。
この問題はもちろん「割合」「比」以外に「分数のかけ算」の問題ととらえることもできます。1つの問題はいろいろなアプローチの仕方があります。先の問題が難しかったのは「この問題を比の問題ととらえられないからでしょう。」というようなことを述べて,納得して帰られました。中止に終わった研修会でも1つ学べました。うっかりとは言え来てくれたことに感謝です。