立春過ぎ研修3本目は,5年生の「円と正多角形」です。正六角形をコンパスだけで
作図する方法を考える場面でした。
  左の形は「正多角形のお皿が割れた」状態を表したものだそうです。私は最初これをどう見ればよいのかがよく分かりませんでしたが,子どもたちは事前に何か似たような活動をしていたのでしょうか。どうやら下の部分は「頂点と辺(2本)が残っている」状態で,上は「頂点と辺(1本)が残っている」状態のようです。下は辺が2本残っているので「1つの角の大きさ」が残っています。これを使えば元の皿の形が「正六角形」であることが分かる,というしかけのようです。
 次に残っている「2つの頂点」を結んだ長さが正多角形を作図するときの「直径」になっている前提で,その半分の長さを使って円を描いていました。しかし2つの点が「向かい合っている」かどうかはこのかけらだけでは分かりません。そうだったとして話が進められていったのですが,私はこれを見ていて,
「このような設定ではなく,数学の問題にしてもいいんじゃないのかな。」
と思いました。
 代案になりますが,この問題は左のような条件が分かっています。ただし「正何角形か」が隠されてしまっています。私は「正六角形」であることは明らかにした上で考えさせればいいと思います。
 ただしそのためにはこの問題の前に別の問題を入れておくと面白いと思いました。それが右の問題です。右の図形は正五角形になりますが,それを明らかにしてもいいし,内角から考えさせてもいいのですが,とにかく「分かっている情報を使って正五角形を仕上げる」という課題にします。この場合は一辺の長さが分かっていて,1つの内角も分かっています。すると外側から「定義にしたがって」作図することができます。円を利用する必要は全くありません。これは五角形に限らず何角形でもできます。
 その上で,先の六角形の課題を示せば,
「あれ,今度は辺の長さが分からないぞ。」
という話になるでしょう。しかし向かい合った場所にある点が分かっているので,これを使って一辺の長さが分かるんじゃないか,という活動にできます。そうすればこの日ねらっていたことは全てクリアできるはずです。
 帰りの電車の時間の都合で,この授業だけは研究会に参加できませんでした。どんな話が起きていたのかとても気になります。正六角形をコンパスだけで作図する場面は,意外と授業で見たことがありませんでした。その場面を見せていただいたことと,高学年になっても明るく元気な子どもたちに感謝したいと思います。

 

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