「商が二桁」になる割り算に進めていきますが,まずは前時の最後にやった,「商に10が立ちそうだけども立たずに9を立てる」問題の復習をしておきます。1題だけですが,これが後のイメージ作りに使われます。
「今日の新しい問題に入ります。」
と言って,文章題を示します。立式すると「216÷18」になりました。一見すると今までの問題との違いは見えません。しかしそのうち,
「あっ,10が立つ。」
という呟きが生まれます。この問題の場合,「10が立ちそうで本当に立つ」問題になっているのです。ということは商が「十幾つ」という二桁になることが分かります。そこでそのことを「めあて」として示しました。この日も「技能」中心なのでめあてを作ります。
10が立ちそうなので本当に10を立てます。かけて引くと36余りました。まだわる数よりも大きいので,2を立てるとうまく余りがなくなりました。これで商が12になることが分かるのですが,怪訝そうな児童がたくさんいるのも事実です。「絵」を示して具体的に商が12になることを見せてやります。これは「教師主導」の活動です。
まず操作のイメージを作った上で,「筆算手順」は教えます。最初に商の立つ位置を見つけるのですが,「百の位」に立たないことは,(●は100)
「●●⑩①①①①①①」●を18人には配れないという意味になります。ずらして,21で考えることは,
「⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩①①①①①①」の⑩ならば18人に配れる,という意味になります。筆算の手順の意味を「絵」と照らし合わせながら一般化していきます。
もう1問だけ,筆算手順と「絵」を対応させながら考えていく問題を確認し,さらに3問ほど「筆算手順」だけでやってみる問題をやらせていきました。
早い児童は「先取り学習」もあるのでしょう。そうでない児童は,ここはそう簡単に進める場面ではないので,ゆっくり取り組ませていきます。「ヘルプ」を出した児童は友達に教えてもらいながら進めています。手順が多くなる上に,根本的に難しい「商の修正」をしていく問題もありますので大変です。
本格的な「練習」に入る前に,筆算の手順をまとめておきます。最初に
「商の立つ位置を見つける」
ことから押さえます。これは商が二桁になったために意識されはじめる段階です。それが見つかった後は,
「たてる・かける・ひく・おろす」
「たてる・かける・ひく」
というこれまでの手順を繰り返せばできることを押さえます。
もう一つここでやるべきことは,前時までの筆算手順を今日の手順に「統合」することです。昨日までは何気なく「商の立つ位置」を決めていましたが,今日の手順に従って進めていくとどうなるのか。最初の復習問題を使いました。
「●●⑩⑩⑩⑩⑩①①①①①①①①①」●は28人には配れない。
「⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩①①①①①①①①①」に「破壊」しても,⑩は25個しかないので28人には配れない。
ということで,同じ手順になっていたことをイメージさせます。そのための図はあらかじめ用意しておかなければ時間の無駄になります。
その後は教科書の練習題を1つやり時間オーバーです。教科書ではもう少し内容があって,この日は本来の3/4しかできていませんが,こんなものが妥当でしょう。ゆっくり定着させていきます。