「÷何十何」の学習に入ります。前日の板書を利用して,新しい問題を提示します。「96÷32」です。この問題で「絵」「式」「答え」を求めることを自力解決させました。
 するとたくさんの児童が間違っています。多いのは「33」という答えです。十の位同士,一の位同士で割り算をするとこうなります。加減の計算はこのようにやりますので,このイメージで計算をしているのでしょう。
 できた人は「仲間学習」をしますが,その中で「正解」の児童と間違っている児童の「議論」が自然に進んでいます。どちらも「自信」を持っている上,明確な違いがあるので議論が深まっています。最後は「絵」が決めてとなっていきます。「数の処理」ではなく「問題の意味」に立ち返って考えなければならないことが分かります。
 同様の活動を後2問ほどやった後,
「ここからはできるだけ絵を描かずに答えを出してみましょう。」
と,活動を発展させます。もちろんできない児童は絵を描いています。発表させるときに「どうやって見つけたのか。」
を説明させます。最初の児童は,
「21に4をかけると八十幾つになるから。」
と,頭の中で暗算をしていることを言いました。次の児童は,
「上の位だけで考えた。」
という意味のことを具体例で言ってくれました。最後の児童は,
「32×1,32×2…とやっていくと,32×3になって,32×4だと行きすぎてしまう。」
と,試行錯誤的にやっていることを話しました。自分の頭の中を分析しなければならないのですが,どの児童にも共通しているのが「かけ算の暗算をしている」ことです。
 絵を描かずに商を見つけることが本格的に「めあて」になりました。ここまでの友達の意見を聞いて,自分にあった方法で3問の適用題にチャレンジしました。だんだん,「下の位はほっといて」上の位で見つける方法になびいていきました。これは「手隠し法」につながる方法なので,このまま続けていきたいと思います。
 最後の『ノートにしゃべろう』は,「商を見つけるときのコツ」をまとめさせます。例を挙げて説明するものや,記号を使って説明するなど,少しずつ表現に工夫が見られるようになってきました。もう少しこの学習を続けていきます。最難関教材なので焦らずに。

 

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