イメージ 1 四角形についての見直しを進めます。前時に長方形まで確認し,平行四辺形について知っていることを見つける場面までで終了していました。それを1つずつ発表させていきます。
「向かい合う辺の長さは等しい」
「対角線が真ん中で交わる」
等はそのまま成り立ちます。それに対し,
「向かい合う角の大きさは等しい」
「対角線で分けたときの形」
等は,正方形の所まで戻して「拡張・統合」することで成り立っていきます。
 一方,今までには出てきていなかった,
「向かい合う2組の辺が平行」
は,これまでの全ての図形に当てはまっていることを確認します。
イメージ 2 ここから「台形」に進めます。「向かい合う2組の辺が平行」は「向かい合う1組の辺が平行」にしてやれば「拡張・統合」できます。しかし「向かい合う角の大きさは等しい」に関しては成り立ちません。そこで,
「でも,今まで台形の角について調べたことなんかないでしょ。」
と尋ねると,その通りだと言います。そこで,
「一度きちんと調べることにしましょう。」
と述べ,いくつかの台形の角を調べてみることにしました。(ここが自然に進んでいかないのがこの実践の弱点)
イメージ 3 分度器の使い方があやふやなこともあり,時間がかかるのですが,サンプルとして電子黒板に結果を示し,
「これで気がつくことはありませんか。」
と,直接的な発問を出します。すると,
「隣同士を足したら180度になる。」
という意見が出ます。このことの意味を丁寧に拾い上げていきます。いわゆる「平行線の同側内角の和は180度」という性質のことになります。この気づきを広げておいてから,もう一度台形の測定をさせていきます。そうすると,分度器の使い方の間違いにも気づいてくれます。
イメージ 4 この結果は,正方形や長方形では当然成り立っているので,平行四辺形でも成り立っているのかを調べていきます。すると全ての隣同士の和が180度になっていることが分かりました。
 こうして,ここまで4種類の四角形の性質を拾い上げ,拡張・統合していった結果,
「隣り合う角の和は180度」
「向かい合う1組の辺は平行」
の2つの性質が共通点として残りました。ここまでに2時間かけています。無駄だと思われる方もたくさんいると思いますが,私は「図形の見方」に触れ,「四角形の内角の和」に自然に目を向けさせるために必要な時間だと思っています。