イメージ 1 学年末の特設授業として「直径の円周角」を行います。まず最初の問題を提示します。作図の様子を見せることで「かき方」を確認させます。
①任意の半径で円をかく。
②一本の直径を引く。
③中心から直径に垂直や半径を一本かく。(三角定規を当てている状況を見せる。)
④先にかいた半径の端と直径の両端をつなぐ。
⑤これでできた角は何度になっているか。
 この問題は,ほとんどの児童が「直観的」に90°だと感じています。だからこそそうなる理由が「たくさん省略」されてしまいます。
 まず答えを求める式「(180-90)÷2×2」を示してしまいます。その上で,一つ一つの段階の説明を詳しく確認していきます。「三角形の3つの角の和」と「90°」(先生がかいた)の意味は確認した後,「黄色」のチョークで書いておきます。これは「条件」「前提」を表しているイメージです。次にそれを2で割ることの説明がたくさん省略されます。例えば最初に説明した児童は,
イメージ 2「2で割ったら45°になる。」
としか言いませんでした。どうして2で割るのか聞くと,
「こことここがいっしょだから。」
と当然のように返ってきます。この場面で,
「この説明の足りないポイントはどこかな。」
と全体投げかけるなどして,説明しなければならない部分を見つけさせます。
 そうすると,「二等辺三角形」という言葉が出てくるので,今度はどうして二等辺三角形なのかが説明の対象となります。そこで「半径」というキーワードが登場して,45°が引き出されていくのです。
 小学生にとっては,余りにも厳密な説明ですが,細かなところもきちんと「理由」が必要であることを確認します。与えられた条件から,自分たちで「理由付きで見つけた」ことには赤チョークで書いていきます。
イメージ 3 続いて第2問です。これも作図の様子を見せて問題把握にします。円周上の点は,半径に広げたコンパスで,直径の片方の端から取った長さになっています。その点から直径の両端をつないで円周角を作りました。「自力解決」に入ります。
 今度の問題はそう簡単ではありません。一番大きな違いは,問題解決のために必要な「半径で分けられた三角形」がどこにも見あたらないのです。そのため,中心と頂点を結ぶ線を自分でかき加え(補助線)る必要があるのです。
 しばらく時間を取ると,何人かが補助線を引いています。この線さえ引ければ問題解決は60%達成しているくらい大切な線です。1/3くらいが引けた段階で,
「こんな線を引いている人がいるんだけどな。」
と,この補助線を見せると動き出す児童が増えてきました。ただし,時間的にこの辺でいっぱいとなってしまいました。この問題についての話し合いは次時に持ち越すことになりました。