イメージ 1 「立体の体積」の学習の延長で,
「今日も体積を求めるよ。これはできるかな。」
と,一枚の画像を見せました。子どもたちは,黒い直方体と思っています。
「先生,長さはいくらなの。」
と聞く児童もいます。しかし,
「それより,これは何なのか分かるの。」
と聞き返します。「スポンジ」などの答えに中に,正解の「羊羹」がありました。
「今日はこの羊羹の体積から求めよう。」
と言いながら,理想化した長さを与えて計算しました。これは簡単です。
「でも,本当に直方体に切る自信ありますか。」
と言うと自信なさげです。
「でもそう考えればいいんだよね。今日はそんな,およその体積を考えるよ。」
と,「めあて」を設定しました。その中で,直方体の体積の公式の一部分が,底面積を表していることもおさえます。
イメージ 2 ここから,いろんな画像を見せて,それをある形に見立てて計算していきます。「牛乳パック」「六本木ヒルズ」などは比較的見やすい形です。「ランドセルの内容量」や「米袋」になると,かなり無理が生じてきますが,これらも全て「四角柱」と見ます。だんだん崩した形を提示するようにしました。
 さらにこの学習の中で「単位換算」も触れておきます。牛乳パックは980で,ほぼ1000隣「1L」になります。ランドセルは7L,米袋は21Lになるようなことも押さえました。
イメージ 3 ここからは,「ロールケーキ(円柱)」「チーズケーキ(三角柱)」など,別の立体に見立てて計算する練習をしました。「見立てる」ことさえできればそれほど難しさはありません。
イメージ 4 ここから教科書を使って練習していきます。その中の「風呂の湯船」の問題です。側面が全て「台形」になるような角錐台です。この形は,複合図形と違って,置き方を変えても「角柱」にはなりません。それでも「直方体」と見なせばおよその体積は求められます。子どもたちも特に問題なく解決しています。しかしその内容を見ると少し考えさせられました。
イメージ 5 この問題の縦と横の長さは,上下で違いがあります。どちらか一方だけの数字を使って計算する児童がいるのは当然です。小さい方を使えば真の値より小さいし,その逆もあります。ところが子どもたちの反応を見ていると,2つの数字の中間値を使った児童は,わずか1名だけだったのです。これを見て,
「ここまで,形式的に,およその形を見積もってきたけれど,結局決められたものの見方から抜け出ていないんだ。」
と感じてしまいました。この問題の場合,「下の数字は小さく,上の数字は大きく」など,工夫の仕方はいっぱいあります。にもかかわらず,どちらか一方の「示された数字」しか使おうとしない子どもたちを見て,
「今日の授業は,見せかけだけの展開だったんだ。」
ということに気づき,愕然とさせられました。大反省です。