授業が始まるとすぐに,これまでに学習した図形の名称を黒板に貼っていきました。
イメージ 1「ちゃんと覚えているかな。」
等と言いながら出していきます。
「全部きちんと作図できるんですか。」
と尋ねると自信満々です。そこで黒板に,
「ノートに   を作図しなさい。」
と示し,「長方形」「正方形」「ひし形」と後もう一つは自由に選んで作図するよう指示しました。
イメージ 2 子どもたちは長方形と正方形は簡単にかきます。(ノートにはマス目がある)自分が選ぶ図形は「円」「平行四辺形」等が多いようです。その中で,「ひし形」だけは苦労している児童がいます。きちんとコンパスで等辺をとっている児童もいますし,適当にかこうとして苦心している者もいます。そこで「コツ」を発表してもらいました。
「2つの等しい二等辺三角形をかく」
「対角線を利用する」
等,図形の特徴を捉えたヒントが出され,そのかき方が共通理解されました。
イメージ 3 ここからは,子どもたちがかいた図形を発表していきます。まず正方形では,一辺の長さが違うだけになっています。そこで,
「みんながかいた正方形はみんな同じ形なのだろうか。」
と尋ねます。子どもたちは当然という表情です。どうすれば確かめられるのかを確認するとね
「角の大きさと辺の比を比べたらいい。」
という既習事項が出てきたので,そうなっていることを押さえました。
 同じことを「長方形」と「ひし形」でやると,長方形は角は全部等しくなりますが,辺の比が異なるものが出てきます。逆にひし形は,辺の比は全て等しくなりますが,角度にズレが出ます。こうして,今回の「任意の作図」では,正方形の場合はいつでも「同じ形」になるけれど,長方形とひし形は「同じ形にはならない」ことがまとめられました。
 ただ,ここまでの展開は,とても「重い」ものになりました。同じ形になるならない,ということを考える必然性が子どもたちに全くないからです。強引な引っ張りで進めてしまったと言わざるを得ません。
 ここから,「誰がかいても同じ形になるかならないか」の観点で,残りの「図形」を考察していきます。グループでの話し合いを取り入れます。ほとんどの図形で意見は一致しているようですが,意見が分かれたのが「直角三角形」です。子どもたちは手元にある三角定規を使いながら話し合っています。そのうち,これは同じ形にならない,という結論に進んでいるようでした。そこで一人の児童にそうならないような例を黒板にかいてもらいました。
イメージ 4 最初の児童は「山形」の直角三角形を書いたので違いが見えません。むしろ同じ形に見えます。「同じ」と判断した児童はこういうイメージなのかもしれません。向きを逆にかいた児童も出てきました。しかしこれも,
「それだったら同じ形じゃん。」
と言われました。
「もっと極端にかいてみれば」
と助言し,細長い直角三角形が出てきて納得していきました。
イメージ 5 子どもたちは「正~」とつけば同じ形になるということに気づいています。それならば
「直角二等辺三角形はどうなのだろう。」
という話に進みました。見た目は同じ形ですが,辺の比が等しくなることが示せません。(実測しかなくなっている)そこで,4つの直角二等辺三角形を並べて見せてやります。それを見ているとき,
「前の時間のかき方といっしょや。」
という呟きが出てきました。それを拾い上げて全体に浸透させていきます。
 この日やりたかったのはこのことです。既習の図形を「拡大・縮小」という観点で「見直す」ことです。その時,前時の「作図」が手がかりになると考えたのです。
 この日の授業は教材の論理が勝った問題の多い授業です。これから何らかの形でこの授業が洗練されたものになるよう考えていきたいと思わされました。反省の多い1日でした。