イメージ 1 文化の日研修2本目は,中学2年生(8年生)の「星形多角形の内角の和」です。中学校の授業で大変楽しみにみさせていただきました。
 星形多角形というのは,私も「幾何学模様」としての扱いで,過去に何度か用いたことがあります。http://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/36533194.html
 作り方は,円周上に点をいくつか取ります。左の場合は5点と7点を取っています。これらを隣同士でつなげば単なる正多角形ですが,飛ばしてつないでいくと星の形が浮かび上がります。5点の場合は,左の1種類しかできませんが,7点になると「2つとばし」と「3つとばし」ができます。(4つとばしは,3つとばしが逆順でかけるだけ)これを飛ばした数を分母に,元々とった点の数を分子にして「5/2角形」「7/2角形」「7/3角形」と呼びます。これが以前に綴った「正分数角形」です。http://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/34609170.html
イメージ 2 授業ですが,前時に「五角形」の内角の和を求めています。いろんな求め方があります。一番分かりやすいのは,「三角形の2つの角の和は,もう一つの角の外角と等しい」性質を使って,一つの三角形の中に集めてやる方法でしょう。実はこの星形5五角形の内角の和が,他の星形多角形の大元になっているのです。

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 本時は,星形7/2角形の内角の和を求める問題からスタートしました。結構難しい問題だと思うのですが,この学校の生徒はわずか5分くらいでほとんどできているのです。その方法も,「三角形の内角の和と外角の和を利用」したアイデアになっています。平行線の性質を使ってやっている生徒もいました。
 なお,この授業では「正多角形」にしていなかったので,このような単純な平行線は引けないのですが,曖昧な使い方をしていたことが後の研究会で指摘されていました。私の図のように「星形正多角形」にしておけば単純につないだ直線が平行になっているのではるかに楽になると思います。
 この後「9/2角形」などに進めて,一般式を「180×(n-4)」などとまとめていきました。途中で,「180度ずつ増えている。」等の鋭い意見も出ていました。ただしこのときの180°の意味は,一般的な三角形の内角の和を指しています。
 実は「星形多角形」の内角の和を考えるときの180°は,一番大元になる「星形5/2角形」の内角の和の180°なのです。

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 その作図を見てみます。7点ありますがそのうちの2点に「お休み」してもらいます。残った5点で「五角形」をかきます。(赤色)できた5つの角の和は180°です。
 次に,全部角が埋まってしまった1点に休んでもらい,一つの点を復活させます。この5点で同じことをすると,その和は180°です。(青色)
 最後にさらに埋まった点に休んでもらい,残っていた点を復活させて星形5角形をかきます。その和は180°です。(緑色)こうして星形5/2角形が3つかけるので,180×3=540°になるのです。
 一般的な多角形が,対角線で三角形に分割して考えるのと同様,求めたい形を大元の「星形五角形」に分割していることと同じです。数学って本当におもしろいですよね。
 こんなことを考えさせてくれた,授業者の先生と,将来がとても楽しみな子どもたちに感謝したいと思います。