「公倍数を使った問題」を考える時間です。しかし問題解決自体が目的ではなく,「倍数」「公倍数」のイメージ作りの一貫だと思っています。
いきなり左のように問題を提示します。当然これだけでは意味は分かりません。そこで,11種類の封筒を見せます。A~K間であります。それぞれに長方形の工作用紙が入っています。これを向きを変えずに「しきつめ」ていき,正方形になるように並べるのです。その時の1辺の長さを考えるというお題です。
この問題は,公倍数の学習でよく登場しますが,現実にこんな場面を考えることはあり得ないでしょう。また,子どもにとっては「問題理解」が難しいと思われます。文章を読んでこの問題の意図が分かる児童が何人いるでしょうか。そこで私はいつも,実物の長方形を並べることを欠かさずにやっています。
グループごとに,長方形のカードを並べて正方形にしていきます。透き間が空くこともあるので,正方形になっているのに長方形のように見えてしまうこともあり,結構時間がかかります。見た目ではなく,マス目を使って計算で求めている班はどんどんできますが,見た目や計算を使っていない班は少しずつしか進みません。約10分の時間をかけて調べていきました。
結果を発表します。5×10の長方形を発表しましたが,20cmという班と10cmという班に分かれました。どちらも「公倍数」になっていますが,10cmの方がより小さい正方形になっています。そこで,「できるだけ小さい正方形を見つける」という条件を設定し直しました。
こうして11種類の封筒に入った長方形で正方形を作ることができました。最初4×6の長方形は24cmという答えで進んでいたのですが,最後の場面になって,それだけが最小公倍数になっていないことに気づき,訂正されました。このように,間違いについては自分たちで気づくようにしなければなりません。
こうして「公倍数を見つける」という「方法」がまとめられ(まとめる必要はないかもしれません),教科書の問題で練習します。最後の問題は,
「10時に同時にふき上げた二つの分数があります。上は10分おき,下は6分おきにふき上げます。次に同時にふき上がるのは何時ですか。」
という問題です。同じ構造の問題で簡単そうすが,その意図が伝わらない児童が1/4います。文を読んでもイメージできないのです。この噴水の問題が難しい児童は,先の「正方形作り」の問題はもっとイメージできないでしょう。やっぱり手を動かして操作することが大切だと言えます。

この問題は,公倍数の学習でよく登場しますが,現実にこんな場面を考えることはあり得ないでしょう。また,子どもにとっては「問題理解」が難しいと思われます。文章を読んでこの問題の意図が分かる児童が何人いるでしょうか。そこで私はいつも,実物の長方形を並べることを欠かさずにやっています。




「10時に同時にふき上げた二つの分数があります。上は10分おき,下は6分おきにふき上げます。次に同時にふき上がるのは何時ですか。」
という問題です。同じ構造の問題で簡単そうすが,その意図が伝わらない児童が1/4います。文を読んでもイメージできないのです。この噴水の問題が難しい児童は,先の「正方形作り」の問題はもっとイメージできないでしょう。やっぱり手を動かして操作することが大切だと言えます。