イメージ 1 校内の初任者研修もう一人は1年生の「足し算」の問題づくり場面です。彼女は初任といってもかなり経験を積んだ上での赴任ですので,授業にも余裕が感じられました。
 前時に「お話」を式に表す活動はできています。この場合の式は,完全な「センテンス形」の式となっています。したがって「答え」というのは少し違和感があります。
 さて,本時は「絵」を見て式を作ります。教科書に挿絵が載っていて,それを使って「3+2=5」の式を作るようになっていますが,初めて相談に乗ってこの絵を見たとき,第一声で,
イメージ 2「この絵って,3+2しかないねえ。」
でした。これではとても楽しい活動になるとは思えません。そこで,
「できたら,この絵の中にいろんな式ができるように換えてみませんか。」
とアドバイスして,彼女が作ったのが右の絵です。いろんな「式」ができるように設定を付け加えています。子どもの遊んでいる絵だけを見ても,
「男の子と女の子」
「青い靴と赤い靴」
「髪をくくらない子とくくっている子」
等色々な見方ができます。タイヤなどは大人が見れば「2+4」でしょうが,全ての子どもが「3+3」と,色に目をつけて作っていました。それだけ子どもの見る視点は大人と違うということです。
イメージ 3 最初に「3+2=5」になるお話を,「文章で書かせ」ました。これは1年生には難しいようです。事前学習の時は「おしゃべり」だけにしてスムーズに行っていたのですが,欲張ってしまい,重い活動になってしまいました。
イメージ 4 それ以外の式でお話を作ることは,意欲的に取り組んでいました。やはり,多様性がある方が子どもたちはよく動きます。
 これだけ書く活動があると,1年生では時間不足になるでしょうが,チャレンジ精神は素晴らしいと思います。少なくとも,「1年生がノートに書くのは無理」などとはなから決めてかかるよりはいいでしょう。実際子どもたちは,ノートに問題を作っていたのですから。
 やっぱり算数の授業は「教材」が大切です。「絵」を換えるだけでこんなに子どもたちの動き方が変わるのです。決して「めあて」「まとめ」が子どもをかえるのではありません。それがよく分かった授業でした。今後の活躍を期待しています。