
と言いながら,茶色のチョークで長方形を描きました。そして,
「これは先生のじゃがいもの箱です。」
と告げ,重さが1.6kgであることを紹介しました。実際のじゃがいもは,画用紙に描かれています。子供用のものも,白チョークと黒にマジックで描かれたじゃがいもにして見せます。
「2つの同じじゃがいもの箱から3個ずつ取り出します。」
と板書し,視写しました。このとき,
「そうすると重さは何gになってるかな。」
と尋ねました。多くの児童が,「1.36kg」と答えたので,箱の重さの方を考えていることが分かりました。なので,
「じゃがいも3個の方を考えるんだよ。」
等とはなしながら,どちらも1個平均,80gであることを押さえました。その上で,

というルール設定をしました。

「先生の箱はずるい。」
と言うのです。「いちゃもんつけるな。」などと言いながら話は進んでいきました。

前時に,集団の代表値として「平均」を学習しました。しかしその「平均」だけでは集団の特徴は測れません。「散らばり」を考える必要があります。それを子どもから引き出すためのゲームを設定したわけです。

「ずるい。先生の方は,組み合わせたら160gになるやつばっかりだ。」
と言いながら,2枚のカード(じゃがいも)を組み合わせて,160gになるように動かし始めたのです。確かにその通りになっています。しかし,
「でも,みんなのだって組み合わせたらそうなってるよ。」
と返してやりました。するとさらに並び替え始めました。

こうして,何となくですが,先生の箱の方が当てやすいことがイメージできてきたようです。カードの並び替えは,この後の「ドットプロット」をとる活動につながっていきます。

「七並べみたいにしたら分かりやすい。」
と『ノートにしゃべった』児童がいました。