イメージ 1 「今日はゲームをします。」
と言いながら,茶色のチョークで長方形を描きました。そして,
「これは先生のじゃがいもの箱です。」
と告げ,重さが1.6kgであることを紹介しました。実際のじゃがいもは,画用紙に描かれています。子供用のものも,白チョークと黒にマジックで描かれたじゃがいもにして見せます。
「2つの同じじゃがいもの箱から3個ずつ取り出します。」
と板書し,視写しました。このとき,
「そうすると重さは何gになってるかな。」
と尋ねました。多くの児童が,「1.36kg」と答えたので,箱の重さの方を考えていることが分かりました。なので,
「じゃがいも3個の方を考えるんだよ。」
等とはなしながら,どちらも1個平均,80gであることを押さえました。その上で,
イメージ 2「240gに近い方が勝ち。」
というルール設定をしました。
イメージ 3 そうして実際にゲームをやってみました。結果は私の5勝1敗です。大喜びしてやりました。(大人げない)すると,すかさず一人の児童から声が挙がりました。
「先生の箱はずるい。」
と言うのです。「いちゃもんつけるな。」などと言いながら話は進んでいきました。
イメージ 4 子どもから出てきたのは,平均は同じかもしれないけれど,私の箱の方が幅が少なく,自分たちの方がバラバラになっていることを指摘してきました。これが私のねらっていた発言です。
 前時に,集団の代表値として「平均」を学習しました。しかしその「平均」だけでは集団の特徴は測れません。「散らばり」を考える必要があります。それを子どもから引き出すためのゲームを設定したわけです。
イメージ 5 そのうち子どもから,
「ずるい。先生の方は,組み合わせたら160gになるやつばっかりだ。」
と言いながら,2枚のカード(じゃがいも)を組み合わせて,160gになるように動かし始めたのです。確かにその通りになっています。しかし,
「でも,みんなのだって組み合わせたらそうなってるよ。」
と返してやりました。するとさらに並び替え始めました。
イメージ 6 今度は,ちょうど80gになるところから左右に並べていきます。先生の方は,隣り合った数字ばかりになっていますが,子どもたちの方は,かなり離れた位置になっていることが分かってきました。
 こうして,何となくですが,先生の箱の方が当てやすいことがイメージできてきたようです。カードの並び替えは,この後の「ドットプロット」をとる活動につながっていきます。
イメージ 7 こうして,「平均は同じでも中身が同じとは限らない。」という,集団の見方をまとめて終了しました。カードを並べて離れ具合を探った活動に対し,
「七並べみたいにしたら分かりやすい。」
と『ノートにしゃべった』児童がいました。