全国学力・学習状況調査で話題になった「洗剤の問題」(正答率13.4%)を,「裏テスト」に出題してみました。子どもたちは4月に一度やっているのですが,もう忘れているでしょうし,どのような解答をしたのかは,解答用紙を送付してしまっているので「正誤」しか分からなくなっているため,子どもたちの考えを見るためにやったわけです。
イメージ 1 結果的に,30人のクラスで,正解の「400mL」が導けたのは6人(20%)でした。そのうち,左が「模範解答」でしょう。( )を使って一つの式にまとめているのはこの児童だけで,後の3人は「480÷1.2」としていました。
イメージ 2 一方,残りの児童は「不正解」だったのですが,最も多かったのは右のように,「20%分を差し引く」ことはきちんとイメージできていながら,何を元にした「増量」なのかを見誤り,間違ってしまった者が同じように6人いました。その中には「480×0.8」とした者もいます。こうして「384mL」の解答がいくつか見られました。それ以外には,「480×0.2」「480÷2」などの間違いも3~4人ずついて,全国の結果と同様です。白紙も何人かいましたが,「条件」が違うのでこの点は論じられないでしょう。
 さて,先ほど「正解者」は6人と書きましたが,「模範解答」は4人でした。では残りの2人はどうやって解決していたのでしょう。個性派がいるのが私のクラスです。 
イメージ 3 左の児童は,「大体300mL後半くらいだろう。」と見当をつけ,「380×1.2」から思考錯誤していき,400mLを見つけています。「□×1.2=480」を見つける場合,教科書にも出てきている方法です。少なくとも「圧倒的に小さい数字を書いて満足している者」よりはるかに素晴らしいでしょう。
イメージ 4 右のような児童もいました。一瞬,どういう意味が分からない人もいるでしょう。私はすぐに意味が掴めました。「20%を1と考える」と,増量後の120%が6つ分になります。「線分図」をかくことでそれが見えてきたのかもしれません。「6や5を正しく扱っている」ことで,それが分かると思います。
 私はこの2人のように「たくましく解決」する児童が大好きです。2人の「文字」を見ていただけると,決して「優等生」ではないことが分かるでしょうか。しかし,常に「なぜ」を考え,自分自身の「納得」を乗り越えながら学習を進めている児童です。こんな子どもたちをもっと育てていきたい,というのが私の理想でもあります。
 で,ここで再び「全国学力・学習状況調査報告書」http://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/39607958.htmlを見てみました。すると,「正解」扱いになるのは「480÷1.2」「□×1.2=480」「480÷120×100」「(増量後の洗剤の量)÷1.2」の4種類の「式」意外は認めてもらえないようなのです。(答えの正誤は問わない。式の順序も問わない,にもかかわらず。)
 つまり,後の2人は何と「類型Ⅰ以外の式」と判断されて,「誤答」となってしまうようです。(その結果,クラスの正答は4人。13.3%で,ものの見事に全国平均と一致する)釈然としない思いになりました。全国平均との比較などではなく,こんなに一生懸命解答した児童を「×」にしてしまう「調査」とはいったい何なんだろう,という思いしか残りません。私たちはこんな形で「学テは学力のほんの一部」ということを自信を持って具体例を示しながら発信していく必要があると感じました。