「速さ」の単元に入ります。一般的な導入は,「スピード」を話題にして,「時間」と「道のり」が与えられて,その比較をする展開です。その当たり前の展開の不満な点は,「必要な情報を教師の側から与えている」という点です。「時間や道のりを教えてほしい」という気持ちを起こさせる前に「比較」に入ってしまう点です。それを補うために,ICT機器を使って動画を動かすことで,児童から引き出そうという展開を何度か見てきました。とても素晴らしいのですが,残念ながら私のはそのような「技術」がありません。
イメージ 1 私はまず,「早い」と「速い」の違いを考えることから始めました。子どもたちはイメージだけで捉えていて,完全に区別ができているとは言い難いようです。そこで,「速い」を使う具体的な場面を挙げてもらいました。「足が速い」はすぐに出ました。しかしそこから広がらないのです。そこで「給食を食べるのが速い」などという例を挙げてやることで,ようやくいろんな「速い」を出してきてくれました。偶然ですが,その中に「電卓を押すのが速い」というのがあったのです。
イメージ 2 まず,ボタンを押すのが速いかどうかを判定するための方法を考えてもらいました。その結果,「回数を決めて時間を計る」「時間を決めて回数を測る」の2つのアイデアが出てきました。「どちらかを揃える」という発想になっています。
 子どもから出てきたアイデアなので,実際にその方法で代表児童の結果を比べてみました。電卓の「1++」通した後に「=」を続けて押すと,押した回数が次々と記録されていく機能があります。これは昔,坪田先生に教えていただいたことです。私のこの実践は,その「追試」と言えます。(展開は全く覚えていない。)
イメージ 3 さらにゲームを進めます。一人目を10秒で測りました。次の一人も同様に測ります。しかし,
「あっ,ごめん。画面ばっかり見ていたから,15秒になってた。」
と惚けます。文句を言う児童が出てきましたが,
「でも,これでも比べられないかな。」
と投げかけ,その方法を考えていく「自力解決」に入りました。授業開始30分程度の段階で,時間は3分ほどです。
イメージ 4 ほとんどの児童が右のように,「1秒あたり」で比べています。今は5年生で「単位量あたり」を学習済みですので,当然の結果と言えるでしょう。その方法を確認し,「速さを比べるには,時間ともう一つの数を使う」ということを押さえました。
イメージ 5 「公倍数」を使う方法は,一人だけがやっていたので,『ノートにしゃべろう』にお題として出しました。たった一人しかいなかったというのは,「習ったことに忠実に」という意思の表れ,のように感じてしまい,何とかもっと「自由な発想を」広げてやりたいと思い,出題しました。