「円の面積」の最後の授業です。活用問題ということですが,「説明」に特化した授業にしてみました。
イメージ 1 まず,前時に取り上げていた「タイヤ形」の式を発表させます。これで理解できている者には伝わります。しかしできていない者には説明が必要になってきます。最初の児童を指名すると,
「まず,大きな円の面積を出します。その後,小さい方の円の面積を出して,大きい方から引くと,色の付いているところになります。」
と,比較的上手な発表をしてくれました。そこで,
「もう一人当てるけど,今度は黒板の前に来て説明してくれないかな。」
と言いました。もう一人が発表したのですが,先とよく似た感じで,黒板の前に来たメリットを生かしていません。そこでその点を指摘すると,次の児童が,図を指さしながら説明をしたのです。その点を褒め,少人数学習で練習をしました。さらに発表していく中で,
「ここの全体の部分の面積を出して…」
と言ったところで,「そこを出したのはどの式ですか。」と発問し,式・図・言葉を連動させることを指導しました。このように「説明」に特化した授業を構成したのです。
イメージ 2 第2問は,子どもたちが「お尻形だ。」と喜んだ形です。まず自力解決させ,式を発表させます。そして,先と同じように,式・図を対応させながら言葉を付け足していきます。今回の問題では,「×1/2」や「×2」の意味を説明する必要が出てきます。先の問題より高度化しています。一通り説明が伝わったところで,
イメージ 3「この2番目の式,これとは違う人がいるでしょう。」
と,尋ね発表させます。
「これはどういうことなんだろうねえ。」
と,さらに少人数学習で説明を考えていきます。そうして,小さな半円を2つくっっけると一つの円になるから弧の式でできることが確認されました。
イメージ 4 最後は「勾玉形」とでも言える形です。これを計算し,その説明をノートに書かせていきました。これらは全て教科書にもある形です。しかし私はここで新たな発見をしたのです。
イメージ 5 この形は,出っ張り部分をへっこんでいるところに埋め込んでやれば,一つの半円になります。したがって公式×1/2でできます。多くの児童が実際にこれでやっていました。後はこれをどう説明するかで,ノートに記させるので,絵や図を描くことの有効性が分かればいいと思ってやりました。ところが私の予想していなかったやり方が3名から出てきました。
イメージ 6 この形を2つくっつけるというのです。すると見事に一つの大きな円が出来上がりますので,それを×1/2すればよいのです。言われてみると単純なことですが,恥ずかしながら私は今回初めて教えられました。等積変形ばかり考えていたのですが,このように「倍積変形」もできるんだということです。いつまでたっても子どもから教えられることがたくさんある,とあらためて感じさせられました。