某附属小学校研修2本目です。ここは「子どもたちが司会をして授業を進める」という特徴的な授業をしています。この県には,もう一つ「国立行政法人附属小学校」があります。私も何度か参加していますhttp://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/37317206.htmlが,こちらは算数科に関しては,主義主張が違う面が多くあります。そちらの会に参加したときには,「地元の先生方」が多くいたのですが,今回の学校は,逆に「県外」の方がほとんどで,地元の先生の意見は聞けませんでした。いずれにしても,個性豊かな教育が展開されていることに敬意を表したいと思いました。
 さて,授業は4年生の「割り算の見積もり」です。私も今年実践しましたが,比較的「あっさり」流した場面です。http://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/39069445.htmlここをどう取り扱うのでしょうか。
イメージ 1 例によって,本時の主問題は既に係によって板書されています。こちらの授業は,まずめあてを何にするか話し合ってから「自力解決」に入りました。先生によるものか・学年によるものかは分かりませんが,全てのクラスが一緒,というわけではないようです。それにしても,問題は教科書と全く同じです。既に考え方が示されていて,「どうやったかを読み取る」課題で,研究授業としては異色でしょう。
イメージ 2 普通に立式すると「183920÷209」です。この見積もりとして,まず,割る数の209を200にするか210にするかが問題になりました。210の方が,より正確になりますが,計算が難しいということで,これは200が適切だろうという話になりました。
イメージ 3 次に,先生の「介入」もあって,割られる数の方をどうするかが話し合われました。「200000」「180000」「184000」の3通りが比較されました。このときいろんなおもしろい話が登場しました。「200000が一番計算しやすい」というのは当然の意見ですが,
「184000÷200が一番近くなるはずだけど,この場合は180000÷200の方が,実際よりも近くなる。」
というのもおもしろい意見です。確かに,より下の位まで扱った方が近くなるはずですが,この場合はそうなっていません。割り算の場合,「割る数」を「切り捨て」してしまうと実際の値より小さくなってしまうからです。その場合だと,割られる数はやや切り上げているものの,割る数は切り捨てていますので,かなり小さくなってしまうのです。
 従って,割り算の見積もりの場合は,「割る数の方を四捨五入し,その方法に合わせて,割られる数を切り捨てたり切り上げたりする」という方法も成り立つわけです。
 また,右上に「190000÷200」とした児童がいますが,お金の計算なので,「足りなくなったら困る」から切り上げをするなど,目的によって見積もりは異なってきます。さらに「190000÷200」だと,ぱっと計算できない,という意見もありました。教科書はうまくいく数字だけにしていますが,実際の場面では様々なことが考えられます。例えば本時の問題でも,「760000÷200」であれば,すぐに計算できない児童も出てくるので,「800000÷200」とすることもありでしょう。つまり,見積もりや概算は,その児童の「暗算力」に委ねられているのです。
イメージ 4 そのような概算の場面で,教科書通り,
「割り算の見積もりは,普通「上から2桁÷上から1桁」という,結論ありきの教科書の流れで授業すること自体に,「指導観」が含まれているように感じました。その点を質問し,意見も言わせていただきましたが,かみ合わない感じで終わってしまいました。
 子どもたちで授業をしても,十分に中身が深まることは証明されたように思います。それだけ素晴らしい子どもたちが育っているということでしょう。それだけに,教師の「算数授業観」が大変大きな意味を持っているということをあらためて考えさせていただくよい機会になりました。ありがとうございました。