
「ある学校の,夕方4時頃の様子を見せます。」
と言いながら,パソコンの画面で左のようなイラストを一瞬だけ見せました。子のいらすとは,「黄色は電気がついていて,青はついていない」「人がいる部屋と机だけの部屋」に分かれています。(机だけの部屋は人がいない,という設定)見た瞬間,

「人のいる部屋が少ない。」
など,印象だけでの発言が生まれてきます。それらを確認しながら,少しずつ画像を見せて,データを明らかにしていきます。「人のいない部屋」は,全体の数が18部屋で,人のいる部屋が7部屋であることを利用して,「計算で」見つけました。ここで,

と投げかけます。それは「電気がついていて,人のいない部屋」です。それが5部屋あることをイラストで確認します。これでデータがそろいました。ここから,いろんな部屋を考えていきます。
「電気がついていて,人もいる普通の部屋はいくつかな。」
を考えます。子どもたちはイラストを見せてもらえるものと思っています。しかし私がなかなかそれをしようとしません。すると一人の児童が,

と叫んだのです。「えっ。」という驚きが教室に起こりました。しかしどうやら,イラストを見ないでもその人数を見つけることができるんだ,ということに気づき始めました。すると少しずつ「分かった。」という呟きが出てきます。それらの児童には,ノートにその説明を書かせます。半数近くが気づいたところで,分からない児童には,友だちのノートを覗かせます。こうして少しずつ考え方を広げていきました。


と言いながら,二次元表を少しずつかいて見せていきました。かき進めるうちに,
「この前の表みたい。」「あっ,そういうことか。」
など,気づいていくことが次々と出てきました。この表を見せたところで時間いっぱいとなり終了しました。
始めから二次元表を見せればすっきりいくでしょう。しかしその発想はなかなか子どもから生まれるものではありません。どうしても教師主導で見せる必要があります。それならば,問題の困難さをしっかり意識させ,いかにこの表がすっきりまとめているかを味わわせるために,このような展開にしてみました。