前時まで2時間かけて構成した三角形について考察していきます。
イメージ 1 まず,前時に足し算で表した式を見せ,きれいに並べていきます。そして,
「それぞれの式がどの三角形だったか覚えてるかな。」
と言いながら,前時に時計版を利用して作った三角形を「切り取った」形を見せていきます。
「えー,先生切っちゃったの。わからんよ。」
と言う児童が出てきました。しかしその中に,
「あっ,分かる。分かる。」
という児童もいます。そこでみんなで考えていくことにしました。
イメージ 2 子どもたちが見つけてくるのは,予想通り特徴のある形です。正方形を見つけたとき理由を聞くと,
「全部長さが同じで,3+3+3だから。」
という最も分かりやすい説明が出てきたので,
「この数字って,辺の長さのことじゃなく,点の数だったよね。」
と揺さぶり,それでも長さが同じになっていることに気づかせていきました。ここで「点の数」が「長さ」に置き換えられたわけです。この教材のねらいはこの段階を作ることでした。
 その後,微妙な形になっている2つ(2+3+4と1+4+4)の検討の中で,辺の長さと数字を対応させていく話し合いを行いました。子どもたちの中に
「一番短いのが1と2だから,こっちが1+4+4のほうになる。」
という,等辺以外に目を向けた発言もありました。これもなかなかいい考えだと思います。
イメージ 3 その後,同じ長さの辺の有無で三角形を分け,それらの名前を「指導」していきました。普通は「仲間分け」などをさせて分類作業を入れるのでしょうが,一目瞭然だし,すでに「長さに目を向け」ているので,いたずらに這い回らないようしっかりと進めていきました。
 その後はコンパスを使って三角形を調べていきます。相当関係を表す記号については指導しました。
イメージ 4 その後は,プリントに印刷している三角形の形をコンパスを使って調べていきます。しかし大人が考えるほど簡単な作業ではありません。正三角形であれば,全部同じ長さなので,コンパスを一度開いたらそのまま三辺を調べれば分かります。ところが「不等辺三角形」になると,3辺ずつの比較が3回必要になります。それを効率よくやれればよいのですが,せっかく開いたコンパスを何度も開き直して確かめるなど,とても作業が複雑になってしまう児童もいるのです。時間はかかりますが,この辺りは大切にしたいところです。3つの比較を順序よく調べていくことは,数学的な考え方の第一歩である「整理」に近い作業と言えるからです。