毎年,夏休みに入ってすぐの研修に行ってきました。今年も熱い議論で楽しませていただきました。
最初の授業は,御年72歳になる正木先生の授業です。私の尊敬している先生の1人でhttp://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/37712486.htmlとても楽しみに参加させていただきました。今回は「割合の考え」「単位量あたりの考え」「比例の考え」の素地となる新しい「単元」を5年生で構築しようとする試みでした。ねらっていたのは「全体を知りたいときに部分の状態で判断する」という考え方です。
左のドット一つ一つを「花」と定義して,その数を考えていきます。最初の,
「大体どのくらいと思いますか。」
という発問に対し,
「千万」「10万」「550」など,様々な予想が出てきました。子どもというのはものの数,ということに対してこれだけ感覚が身についていないことが分かります。これは子どもの責任ではなく,このような大きな数を実際に数えた経験がないことが原因です。この「量感」を見直すこともこの授業のねらいの1つだと感じました。
この図を与えてすぐに,
「では数えてみましょう。」
と投げかけたのですが,時間は3分ほどです。数えられるわけがありません。そこで,
「何かいいアイデアはないかな。」
と尋ねる展開です。その途中に,実際にドットを書いたプリントと定規を与えています。特にプリントの周りには,マス目につながる仕切りがかかれていて「たて8,よこ10」の目盛りが着いているので,それを利用しようとするアイデアが出てきました。
驚いたことに,そのマス目を利用して正方形に区切っていくと,1つの例外もなく,一ますに10個の花が咲いているのです。これを見て私は,
「さすがにやりすぎだろう。いくつか9や8のマスがあって,逆に11や12のマスがあるように作るべきだろう。」
と思いながら見ていました。しかし正木先生は,そんな思いの上を進んでいました。
「全てのマスが10じゃない場合に,全てを10と考える,ことが大切なのは分かっている。しかしこの時間は特設単元の1時間目だ。ここでは理想的な場合を与えておいて,次時以降にそれを崩していくというねらいだ。」
とおっしゃられました。それに対する反論はあったようですが,私は,導入1時間目はこのような形から入る方がよいと感じました。それは理屈ではなく,過去の「子どもたちとの距離」で直観的に感じたことです。やはり正木先生の思慮は本当に深いものだと感心させられました。
この題材は,次時以降「混み具合」を比較する「単位量当たり」や,赤と青の花の数を比べることで「比」に発展させるなどの可能性を秘めていることを学びました。素晴らしい教材を開発してくださった正木先生と,素直な反応ゑみせてくれた5年生の子どもたちに感謝したいと思います。

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最初の授業は,御年72歳になる正木先生の授業です。私の尊敬している先生の1人でhttp://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/37712486.htmlとても楽しみに参加させていただきました。今回は「割合の考え」「単位量あたりの考え」「比例の考え」の素地となる新しい「単元」を5年生で構築しようとする試みでした。ねらっていたのは「全体を知りたいときに部分の状態で判断する」という考え方です。

「大体どのくらいと思いますか。」
という発問に対し,
「千万」「10万」「550」など,様々な予想が出てきました。子どもというのはものの数,ということに対してこれだけ感覚が身についていないことが分かります。これは子どもの責任ではなく,このような大きな数を実際に数えた経験がないことが原因です。この「量感」を見直すこともこの授業のねらいの1つだと感じました。
この図を与えてすぐに,
「では数えてみましょう。」
と投げかけたのですが,時間は3分ほどです。数えられるわけがありません。そこで,
「何かいいアイデアはないかな。」
と尋ねる展開です。その途中に,実際にドットを書いたプリントと定規を与えています。特にプリントの周りには,マス目につながる仕切りがかかれていて「たて8,よこ10」の目盛りが着いているので,それを利用しようとするアイデアが出てきました。
驚いたことに,そのマス目を利用して正方形に区切っていくと,1つの例外もなく,一ますに10個の花が咲いているのです。これを見て私は,
「さすがにやりすぎだろう。いくつか9や8のマスがあって,逆に11や12のマスがあるように作るべきだろう。」
と思いながら見ていました。しかし正木先生は,そんな思いの上を進んでいました。
「全てのマスが10じゃない場合に,全てを10と考える,ことが大切なのは分かっている。しかしこの時間は特設単元の1時間目だ。ここでは理想的な場合を与えておいて,次時以降にそれを崩していくというねらいだ。」
とおっしゃられました。それに対する反論はあったようですが,私は,導入1時間目はこのような形から入る方がよいと感じました。それは理屈ではなく,過去の「子どもたちとの距離」で直観的に感じたことです。やはり正木先生の思慮は本当に深いものだと感心させられました。
この題材は,次時以降「混み具合」を比較する「単位量当たり」や,赤と青の花の数を比べることで「比」に発展させるなどの可能性を秘めていることを学びました。素晴らしい教材を開発してくださった正木先生と,素直な反応ゑみせてくれた5年生の子どもたちに感謝したいと思います。

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