イメージ 1 前時の10倍に続いて,100倍について考えていきます。前時と全く同じ卵のシチュエーションで個数を100個にしてあります。
 まず式2種類を確認します。同数累加は,わざと10個目まで書いて,後は…にしておきました。この10個分を使った説明が出てくるかもしれないと考えたからですが,徒労に終わりました。子どもたちから出てきたのは,交換法則を使った考え(きっちり1円の100倍が100円だから,その5倍になる,と説明できていました。)が多かったのですが,中に10倍を利用しようとする者もいました。
イメージ 2 10倍の10倍なので100倍だというのです。その通りなのですが,本時のねらいは,それをイメージ豊かに頭の中に入れることです。そこで,
「10倍の10倍だから20倍じゃないの。」
と揺さぶります。子どもたちは戸惑っています。その理由が難しいのです。そこで,
イメージ 3「5円玉の絵を描いて,10倍してごらん」
と言って10個を5円玉をかかせます。さらに,
「それと同じ絵をあと9個かいて全部で10個,つまり10倍してごらん。」
と作業をさせました。無駄なようですが,これが本当に100になっていることは体験させておく必要があると考えました。
イメージ 4 こうしてまとめられたことは,何ということのない1文です。教えこみなら5分でもできます。それをあえて時間をとってイメージさせる活動にしてみました。
 ただ,「ノートにしゃべろう」のお題として「1000倍になったらどうなるかな。その理由も書こう。」を与えたのですが,なかなか難しいようです。0が3つ増えることは分かるのですが,「100倍の10倍だから」「10倍の10倍の10倍だから」という説明は少なく,
「100倍の100倍だから」など,先の形式をなぞったための間違いが結構みられました。改めて3年生という発達段階で,類推的に思考することや演繹的に説明することの難しさに直面しています。