大きな数の計算をしていきます。前時に中途半端なところで終わってしまっているので,計算練習から始めます。これらの計算は全て,何かを単位にすれば,1年生の計算に帰着できるものばかりです。逆に言えば,計算そのものが目的ではなく,大きな数の仕組み,つまり「十進位取り記数法」の仕組みをしっかりとイメージするための活動といえます。算用数字と漢数字を併用した表現で計算させるのもその一つといえるでしょう。
ほとんどの子どもは暗算でできていますが,中には計算間違いをしているものや位の取り方を誤っている者もいましたので丁寧に個別指導します。
次に,ある計算結果を示した後,千や万を単位にして考える右のような問題です。これらは学年が進んで,かけ算になったり,小数になったりしても出てくる問題です。一見簡単に見えます。用いる「考え方」は先の暗算でやった計算と同じものです。ところがこのタイプの問題になったとたん,素直に答えが書けない児童が少なからず出てくるのです。例えば「3万+5万」だと,「3+5」は自ら計算しているので安心して使えるのですんなり「8万」と書けるのですが,「35万+29万」になると,自分では筆算をしなければ計算できません。しかし筆算より確実な「解答」を示してくれているにもかかわらず「64」を使用することをためらってしまうのです。どうしてなのでしょうか。
一つには,計算そのものと筆算が結びついていないことがあるような気がします。筆算は部分の計算の組み合わせですので「5+9」「3+2」等は実態として計算していますが,その手続が「35+29」とつながっていないことがあるように感じます。そこで,一応,筆算形式を見せて同じ結果になることを確認しておきました。
計算練習ばかりではおもしろくないので,残り10分で,カードを使って「できるだけ大きな(小さな)8桁の数を作ろう」という学習をしました。大きい方はすぐにできました。小さい方も,最初「12345670」という間違いが出ましたが,正しく修正されました。しかし2番目に大きい数となると「67543210」と出て,みんなが納得してしまいました。誤りであることだけ告げて,チャイムと共に終了です。この続きは活用場面で扱いたいと思います。