「数直線」という言葉を導入します。この言葉は学習指導要領で3年生で指導すべき「用語」として載せられています。「数の線」などと言って1年生から素地的な活動はしてきていますが,ここで本格的に学習することになります。
まず,2つの数字を例の「チラ見せ」で示し,どちらが大きいかを判断させます。分かった段階で,答えを書かせますが,正しい書き方(不等号,ただしこの用語はまだ導入しない)を指導します。また大きくなると判断した理由もまとめておきます。
もう一問,今度は上から2桁目で判断する問題を提示し,「できるだけ上の位」で判断することを押さえます。蛇足ですが,このときの読み方が「かみ」となることは指導しました。
ここで突然,画用紙で作った一本の線を見せながら,
「これなんだと思う。」
とたずねました。「ウインナー」「ソーセージ」など子どもらしい反応の後に,「ただの黒い線」という反応が出たので押さえておきます。そして,
「で,これが今までの勉強と何か関係あるかなあ。」
とたずねます。当然「分からない。」となります。そこで,
「ちょっとだけ付け加えてみるよ。赤いマグネットを置いたところを0とします。青いマグネットを置いたところを10000(20000,30000…)とします。」
こういったとたん,「あーあー。」という声が挙がります。そこで,
「何か見えてきたね。さっきの280000はどこかに見えるかな。」
と言いながら,いくつかの数字に当たるところに白いマグネットを置かせていきました。
「一本の直線」「基準となる0の位置」「目盛りのスケール」が明らかになると,この線上がいろんな数字に見えてきます。こうして数直線が本来持っている意味「点の位置で数字を表す」ことの一端を3年生の子どもたちに見せてやりました。(本当は,点の集合が線になる。)さらにその後,マグネットではなく,目盛りをつけて意味が分かるようにすることを押さえました。(目盛りは目印であって,数そのものは直線上にあることも)
後はいくつかの数直線を示して練習していきます。最初は,決められた数の位置を見つける活動です。これは簡単にできます。次に,数直線で示された場所の数を答えていきます。最初は素直な問題ですが,その後「空位ができる数字」「目盛りのスケールが変わった問題」など,易から難に向けて練習していきました。しかしこの1時間でそれらが全てできるわけもなく,次時以降にもう少し練習する必要があります。