先週の金曜日,某小学校の校内研修会に呼ばれました。その学校は秋に大きな県大会を控えている学校で,当日の公開授業をするクラス・担任が授業を行いました。勉強会でも一緒に学んでいる仲間なので楽しみに参加させていただきました。
3年生の「何倍でしょう」の単元です。一番元になる赤いテープが2m,青は赤の3倍,黄は青の2倍というときの黄の長さを求めます。普通に考えれば,「2×3=6 6×2=12 12m」と順にやるのでしょうが,ここでは先に~倍同士の積を考え,2mの6倍になっていることを利用させようとする単元です。
子どもたちは,「図」をかいて答えを求めようと頑張っています。既習事項を考えると「テープ図」と「関係図」を用いることが予想されましたが,ほとんどの児童が「関係図」に近い図でした。例えば右の反応は,それぞれの色に対してテープのような長方形をかいていますが,それぞれが3倍や2倍に対応させてかこうとした形跡は見られません。ということは,これはテープ図ではなく,単なる関係図ということになります。テープ図というからには,およそでもいいので,長さの関係を意識してかいておかなければならないでしょう。このようなことは「指導事項」としたいところです。
そのように,長さを意識していない児童が多い中,左のような図をかいていた児童がいました。ちゃんと赤の車を2目盛り(2m)にかいています。ところがその3倍である青は5目盛り,さらにその2倍である黄は7目盛りになっているのです。彼にとって「3倍(2倍)」は「3目盛り(2目盛り)増える」という意味で理解しているのです。
私は大変すばらしい反応だと思いました。目盛りをちゃんと生かそうとしていることを褒め,(予定変更になるけれど)それを全体の場で取り上げて「これで3倍になってるかな。」と投げかけ,おかしいことに気づかせる。すると他の児童も「あっ,図をかくときはちゃんと長さを意識してかかなくちゃいけないんだ。」と気づいて,図が修正されていく。
このような活動を「評価」というのではないでしょうか。指導と「表裏一体」と言いながら,「できている・できていない」だけを判定する作業になってしまっている評価ですが,もう一度原点に返って考え直す必要があるでしょう。
意欲的に取り組んだ授業者の先生には,秋にさらなるレベルアップを期待したいと思っています。こんなすばらしい児童がたくさんいるクラスなのできっと可能でしょう。



私は大変すばらしい反応だと思いました。目盛りをちゃんと生かそうとしていることを褒め,(予定変更になるけれど)それを全体の場で取り上げて「これで3倍になってるかな。」と投げかけ,おかしいことに気づかせる。すると他の児童も「あっ,図をかくときはちゃんと長さを意識してかかなくちゃいけないんだ。」と気づいて,図が修正されていく。
このような活動を「評価」というのではないでしょうか。指導と「表裏一体」と言いながら,「できている・できていない」だけを判定する作業になってしまっている評価ですが,もう一度原点に返って考え直す必要があるでしょう。
意欲的に取り組んだ授業者の先生には,秋にさらなるレベルアップを期待したいと思っています。こんなすばらしい児童がたくさんいるクラスなのできっと可能でしょう。