先週の木曜日,某小学校の校内研修にお招きいただきました。当地では,採用1年目の「初任者研修」が終わった翌年,2年目の教員を対象とした「授業力向上研修」という取り組みがあります。授業に特化した研修で,研究授業を2回行い,1回目にいろいろな課題を見つけ,2回目に改善していく,というプログラムです。現場では賛否のあるプログラムですが,私は意味があるのではないか,と考えています。そんな大切な研修のお手伝いなので頑張らなければいけません。
さて,授業をされる先生は2年目と言いながら私より2才だけ年下の女性の方でした。苦労されてきた経験が生きて,ベテランの先生の授業のような感じでした。
1年生の足し算の単元で「増加」の場面を導入するところでした。「合併」から入った足し算を「増加」に広げる場面で,教材研究をよくされているようで,
「今までと違う場面をしっかり認識させていきたい。」
という取り組みでした。
合併は,2つの数量が並列に置かれているので,おはじきを「寄せる」時に両手で中央に集めてきます。それに対して増加の場合は,一方の数量がまずあって,そこに新しい数量が添加されますので,増える方のおはじきだけを元の方に「寄せる」操作になります。この操作はとても大切です。次時に学習する「引き算」の場合は,この逆の動きをすることになりますので,しっかりイメージさせながらやらせたいところです。この授業では,「話をしながら操作させる」という工夫がなされ,
「カエルが3匹やってきました。」
などと言いながら動かしているのです。大変ほほえましい状況です。子どももよく先生の言うことを聞いていい授業だったと思います。
ただ,教材研究をされすぎたのか,「合併で使った言葉は増加では使わない。」ことが徹底されていました。例えば子どもから,
「カエルが4匹島にいました。船で3匹やってきました。合わせて何匹でしょう。」
と「合わせて」という言葉を使ったのですが,取り上げずに流してしまいました。しかしこの子の言葉はとても自然です。増加と合併の違いは「言葉」ではなく,状況(子どもから見れば操作)の違いだけなので,そこまでこだわる必要はないでしょう。合併と増加は,結局2つの数を「寄せてくる」ことなので違いよりも共通性を取り上げるべきだと思いました。
1年生の6月に研究授業をする,というのは大変なことです。そんなときによい授業を見せてくださった授業者の先生と,元気いっぱいの18人の子どもたちに感謝したいと思います。なお,今回この日のために1年生の教科書や資料などをいくつか調べてみると,とてもおもしろいことが見えてきました。後日機会を作って報告してみたいと思います。こんな場に呼んでいただけることは,私自身の勉強の場にもなるのです。
さて,授業をされる先生は2年目と言いながら私より2才だけ年下の女性の方でした。苦労されてきた経験が生きて,ベテランの先生の授業のような感じでした。
1年生の足し算の単元で「増加」の場面を導入するところでした。「合併」から入った足し算を「増加」に広げる場面で,教材研究をよくされているようで,
「今までと違う場面をしっかり認識させていきたい。」
という取り組みでした。
合併は,2つの数量が並列に置かれているので,おはじきを「寄せる」時に両手で中央に集めてきます。それに対して増加の場合は,一方の数量がまずあって,そこに新しい数量が添加されますので,増える方のおはじきだけを元の方に「寄せる」操作になります。この操作はとても大切です。次時に学習する「引き算」の場合は,この逆の動きをすることになりますので,しっかりイメージさせながらやらせたいところです。この授業では,「話をしながら操作させる」という工夫がなされ,
「カエルが3匹やってきました。」
などと言いながら動かしているのです。大変ほほえましい状況です。子どももよく先生の言うことを聞いていい授業だったと思います。
ただ,教材研究をされすぎたのか,「合併で使った言葉は増加では使わない。」ことが徹底されていました。例えば子どもから,
「カエルが4匹島にいました。船で3匹やってきました。合わせて何匹でしょう。」
と「合わせて」という言葉を使ったのですが,取り上げずに流してしまいました。しかしこの子の言葉はとても自然です。増加と合併の違いは「言葉」ではなく,状況(子どもから見れば操作)の違いだけなので,そこまでこだわる必要はないでしょう。合併と増加は,結局2つの数を「寄せてくる」ことなので違いよりも共通性を取り上げるべきだと思いました。
1年生の6月に研究授業をする,というのは大変なことです。そんなときによい授業を見せてくださった授業者の先生と,元気いっぱいの18人の子どもたちに感謝したいと思います。なお,今回この日のために1年生の教科書や資料などをいくつか調べてみると,とてもおもしろいことが見えてきました。後日機会を作って報告してみたいと思います。こんな場に呼んでいただけることは,私自身の勉強の場にもなるのです。