切り上げ・切り捨てを使っての見積もりを学習します。
まず前時の復習をした後,本時の課題を提示します。復習をしたのは,前時に既に知らないうちに「切り捨て・切り上げ」の考えを使っているからです。本時の課題は,3人の人間を登場させて,誰が買えるのかを判断させるものです。
例によってフラッシュ的に値段を見せて「誰が買えるかな。」と尋ねます。何回か繰り返していくうちに,Aは買えなくてCは買えるという意見に集約されていったので,その理由をノートに書かせていきました。
子どもたちのノートを見ていると「Aが買えない」理由は比較的簡単に書けています。なぜなら「切り捨て」の考えなので,ここで使用する「2000と1000」が見えているからです。「目に見える行為」は子どもたちにとってそれほど難しくないのです。
一方,「Cが買える」理由は切り上げをして「2789を3000」「1493を2000」に見なければならないので,その数字が見えてこない者には思いつかないのです。「目に見えない行為」はこれほど難しいのです。なので左のように,「位ごとの和」を利用して見積もる方法がいくつか出てきました。これはこれで数の大きさや位取りの仕組みを使って考えているのですばらしい考えです。基本的に「見積もり」などは「大体の考え」ですので,「きっちりこの方法」などと考えること自体ナンセンスであるといえます。
さて,一人の児童から「切り上げによる見積もり」が登場すると多くの児童から「あーっ。」と感嘆詞が出てきました。自分とは全く違う考えですが,すごくシンプルな説明(実は前時にほぼ同じ考えをやっていたからすぐに理解できる)になっていますので,一瞬にそのよさが見えてくるのです。
この2つの場面で子どもたちがやったことをまとめておきます。どちらも「切り捨て」で考えておけば「買えない」ことが判断できます。逆に「切り上げ」ておけば「買える」ことが判断できるのです。そのことは実は前時(本時の復習)でやっていたことと全く同じことになっているのを確認します。こうして「見積もり」の意味をまとめました。
教科書の練習問題は600円で3つの商品が買えるかどうかを判断させます。切り上げと切り捨てのどちらをするか迷っている児童がたくさん見られました。実際の買い物の場合は場面によってその手法が異なってきます。自分の持ち金で買えるかどうかを考える場合と,一定以上の金額かどうかを判断(1000円以上お買いあげで割引がある場合など)することなどで変わってきます。ここではそこまで触れませんでしたが,本来見積もりの学習は必要感をどう持たすかにかかっていると思われます。この実践は「教科書教材をどう扱うか」に比重がかかりすぎていると反省しています。

例によってフラッシュ的に値段を見せて「誰が買えるかな。」と尋ねます。何回か繰り返していくうちに,Aは買えなくてCは買えるという意見に集約されていったので,その理由をノートに書かせていきました。
子どもたちのノートを見ていると「Aが買えない」理由は比較的簡単に書けています。なぜなら「切り捨て」の考えなので,ここで使用する「2000と1000」が見えているからです。「目に見える行為」は子どもたちにとってそれほど難しくないのです。


この2つの場面で子どもたちがやったことをまとめておきます。どちらも「切り捨て」で考えておけば「買えない」ことが判断できます。逆に「切り上げ」ておけば「買える」ことが判断できるのです。そのことは実は前時(本時の復習)でやっていたことと全く同じことになっているのを確認します。こうして「見積もり」の意味をまとめました。
