以前,研究授業で割合の導入を行ったhttp://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/34011273.html後の研究会で,理科を専門にされている方から次のようなことを聞かれました。
「割合のことをこんなに丁寧にやる必要があるんでしょうか。割合なんて中学校へ行ったらすぐに分かるようになるじゃないですか。例えばオウムの法則なんかも覚えてちゃちゃっとできるようになるでしょ。それでいいんじゃないですか。」
 思わず算数を専門にする私の学校の校長先生と目があって苦笑いさせられました。「割合なんてすぐに分かるようになる」というのは全くの事実誤認だと思うのですが,その点についてはやんわりと否定しておきました。その上で,割合が簡単でない上に中学校でとても大切であることを理解してもらいたいと思い次のように言いました。
イメージ 1 例えば左のように,直線を3:2に内分する点があったとしていろんなことを考えていかなければならない場面が出てきます。そのときに全体をaと置けば,左側は(3/5)aになります。でも右側をaと置けば(3/2)aになります。こんな感じで,中学校では自分の意志で「もとにする量」や「比べる量」を設定し,式を適用させなければいけません。だから単に公式を覚えていてそれを使ってやる,といった小学校の問題とは違ってきます。これに立ち向かっていくためには割合の計算全てに対するイメージが必要になってくると思います。

 私は以前に「小学校の算数学習は割合のイメージを作るためにある」と綴ったことがあります。http://blogs.yahoo.co.jp/tamusi22/31321205.htmlもちろん極論だとは思いますが,今でもその思いに変わりはありません。さらに言うならば「小学校の割合学習(割合のイメージ)は中学校の数学学習の基盤になる」とも思っています。
 今日は前段の「割合なんて中学校へ行ったらすぐに分かるようになるじゃないですか。」について考えてみました。次回は後段の「例えばオウムの法則なんかも覚えてちゃちゃっとできるようになるでしょ。」について考えみたいと思います。