「同じものに目をつけて」で前時に難しかった「割合的」な問題の解決方法を確認する時間です。まず問題を確認した後,何とか解決できた児童に式を言わせてみました。
イメージ 1 「45÷5」と言います。多くの児童はこのときの「5」の意味が分からないのです。そこでこの意味を確認することを本時の課題としました。この段階で5の意味が見えているのは10人だけです。
 1人の児童に説明させました。その子は線分図をかき,左の所までかいたところで,
「ストップ。ここで5が見えるかな。」
と尋ね,小集団学習に入りました。これはいわゆる「子どもの話は最後まで聞かない」というテクニックで,ある程度見通しを見せた上で本時の課題を探らせるためです。この活動で半数を超える児童に5が見え始めました。そこで,
「この線分図の続きをかいてください。」
と言って子どもの部分を4等分した目盛りを入れたところでほぼ全員に5が見えたのです。
イメージ 2 こうしてこの問題の解決方法や線分図が一般化されました。まとめは「大人の数を1とする」として割合の考えを意識させました。さらに「式」で一番始めに「1+4」を加えておきました。この式はそこまで厳密に扱う必要はないかもしれませんが,一応「算数」の基本として「立式に使える数字は問題文にある数字と単位元の1や0」という原則にしたがっておきました。
イメージ 3 この後は2問ほど練習題をします。これも丁寧に1つは「例題と同様人数の問題」にし,もう一つは「並列的な2人の人物の持ち物の数」にしてあります。並列的とは,どちらかに上下関係がイメージできない登場人物という意味です。「~倍」といったときの元にするものを見つけなければならないようにしてあります。
イメージ 4 その後は「問題作り」の活動を取り入れました。先の練習題の一部分を斜線で消し,自分で好きなシチュエーションや数字を入れるよう促しました。この活動はここまであまりやっていなかったのですが,子どもたちは大変喜んで取り組みました。できた問題を解き合っている姿も見られます。
イメージ 5 また,左のようなすばらしい問題を作った児童もいました。登場人物を3人にしています。しかも倍関係を複雑にしていますので,4年生で学習する「何倍でしょう」の考え方を使わなければならないようにしています。さらに気に入っているのは,数字を変えた後が見られます。これは問題を作って自分でやってみた結果,答えが出てくる数字に変えたことの証です。ノートの中にあるこういうさりげない「表現」を見逃さないようにしたいものです。