「速さ」の学習が終わりました。この場面では「速さ」のイメージをしっかりとつけ,演算決定がスムーズにできるようになることが大切です。速さに関して3つの公式がありますが,それを覚えることが第一目的ではないはずです。
巷には「は・じ・き」という左のような訳の分からない図が持ち出され「これで演算を決めていこう。」などというイメージ作りとはかけ離れた方法が提唱されることもあるようです。ナンセンス極まりない,と感じるのは私だけでしょうか。だいたい「き=距離」という言葉自体がおかしいでしょう。正しくは「道のり」のはずです。「距離」は2点間の最短の長さのことであり,道程を表すのは「道のり」でなければなりません。
さて,この速さの場面は「問題解決」としてみたときに余り楽しいものになりにくい面が見られます。今回このブログで報告できるようなおもしろい授業を構成することができませんでした。そこで少しこの教材で遊んでみることにしました。
速さを比べるとき,距離をそろえる方法と時間をそろえる方法があります。一般的に時間をそろえるのは,「速さ」を求めるためで速い方が大きな数字になるようにしたいからです。では「遅さ」を比べるのなら距離の方をそろえるとよいことになります。つまり,「遅さ=時間÷道のり」ということです。分速に対して「分遅」という言葉に置き換えると(笑),3メートルを12分かかって進む遅さの場合「分遅4分」(1メートル進むのに4分かかる,という意味)と定義しておきましょう。
さてここから残りの二つの式を考えてみることにします。「道のり」を求めてみましょう。分遅4分で28分進んだとしましょう。28÷4で7倍の時間がかかっています。遅さは1メートル進むのにかかる時間ですから道のりは7メートルということになります。公式にすると「道のり=時間÷遅さ」ということになります。
次は「時間」を求めてみましょう。分遅4分で9メートル進んだとしましょう。1メートル進むのに4分かかりますから9メートルだと4×9で36分になります。このことから「時間=遅さ×道のり」という公式が導き出されます。
もしこんな世界が世の中にあればその世界で使われている参考書や塾では左のような「お・じ・き」というような図が大手を振って示されているのでしょうか。くだらないことばかり考えるな,とおしかりを受けそうです。その通りなのですが,もう一度この公式を並べてみて
遅さ=時間÷道のり
道のり=時間÷遅さ
時間=遅さ×道のり
この3つを覚えなさい,といって覚えられるでしょうか。今私たちが使っている「公式」はこれまでの経験と速さの意味と演算の意味・イメージが結びついているから再生(暗記ではない)できるのであって,何の根拠もなく単に覚えるという行為は,それ自体が難しい上に忘却されるのも早くなってしまいます。私の妄想した「くだらない世界」と同じ経験を子どもたちにはさせたくありません。

さて,この速さの場面は「問題解決」としてみたときに余り楽しいものになりにくい面が見られます。今回このブログで報告できるようなおもしろい授業を構成することができませんでした。そこで少しこの教材で遊んでみることにしました。
速さを比べるとき,距離をそろえる方法と時間をそろえる方法があります。一般的に時間をそろえるのは,「速さ」を求めるためで速い方が大きな数字になるようにしたいからです。では「遅さ」を比べるのなら距離の方をそろえるとよいことになります。つまり,「遅さ=時間÷道のり」ということです。分速に対して「分遅」という言葉に置き換えると(笑),3メートルを12分かかって進む遅さの場合「分遅4分」(1メートル進むのに4分かかる,という意味)と定義しておきましょう。
さてここから残りの二つの式を考えてみることにします。「道のり」を求めてみましょう。分遅4分で28分進んだとしましょう。28÷4で7倍の時間がかかっています。遅さは1メートル進むのにかかる時間ですから道のりは7メートルということになります。公式にすると「道のり=時間÷遅さ」ということになります。
次は「時間」を求めてみましょう。分遅4分で9メートル進んだとしましょう。1メートル進むのに4分かかりますから9メートルだと4×9で36分になります。このことから「時間=遅さ×道のり」という公式が導き出されます。

遅さ=時間÷道のり
道のり=時間÷遅さ
時間=遅さ×道のり
この3つを覚えなさい,といって覚えられるでしょうか。今私たちが使っている「公式」はこれまでの経験と速さの意味と演算の意味・イメージが結びついているから再生(暗記ではない)できるのであって,何の根拠もなく単に覚えるという行為は,それ自体が難しい上に忘却されるのも早くなってしまいます。私の妄想した「くだらない世界」と同じ経験を子どもたちにはさせたくありません。