新学期最初の授業は,最悪な結果になってしまいました。本校が採用している「啓林館」の教科書独自の「ドルフィンの魔法学校」の中の問題です。
『時計とうの高さは90mで,これは役所の高さの3倍です。役所の高さは学校の2倍です。学校の高さは何mですか。』という問題です。
 算数教育の中で「問題解決型」と言われる授業があります。問題把握・自力解決・練り上げ・適用発展などと授業を段階に応じて輪切りにした型のことです。これは算数授業の入門としてはよいのかもしれませんが,この型から抜け出せないでいると,子どもが授業を楽しむことが難しいと思うのです。というのは,全く一人でしか解決することを許されない「自力解決」と発表会にしかならない「練り上げ」の段階がネックになるのです。
 しかし授業の中には,この型に当てはめた方がよい授業もあると考えています。(年間10時間程度だと思うのですが)その数少ないものの一つがこの「文章題」の場面だと思うのです。なぜなら,この単元は新しい知識を身につける場面ではないので,「誰の助けも受けずに自力で解決できなくちゃおかしい」と考えているからです。
 ところが実際の授業はそうは進みませんでした。この問題が自力解決できたのは3人中1名だけです。10分以上時間をとってもできないのです。その理由は,「3つの建物の大小関係がつかめない」からです。「時計とうの高さは90mで,これは役所の高さの3倍です。」の文をみて,時計とうの方が高いことが理解できないのです。途中でこのことを押さえれば,後は何とか自力で進んでいったのですが…。
 夏休み明け最初の授業としては,重すぎるものだったのかなあ,と反省させられました。文章から関係を把握することの難しさを改めて痛感させられました。