今回はこんな感じです。
前回の続きは、書くのに時間がかかりそうなのでいったん置いておきます。が、今回のテーマとの関連も持てるようにするつもりです。
というか更新ペースがおかしいですが、次の更新は当分先の予定です。
まぁ書きましょう。
書く前から予感してますが、全体的に相当不正確です。あくまで流れということで。
厳密な説明は僕のレベルを越えてしまってます。その点については最後に捕捉を。
-超越数とは-
超越数とは、代数的数ではない数のことです。
すなわち有理係数の代数方程式の解とならないような複素数のことです。
単純な話をすれば、-2や1といった整数は、x+2=0やx-1=0の解になるし、(1+√5)/2のように一見複雑に見える無理数もx^2-x-1=0の解となるため、超越数ではありません。
一方、題で挙げたπは、上の例で挙げたような方程式を作ることが出来ない超越数です。
そして今回はπの超越性の示し方の流れを書きたいと思います。(あくまで流れ!)
少しそれますが、初めて超越数であると証明された数は、リウヴィル数という数です。この数の具体例を挙げると、2^(-1!)+2^(-2!)+2^(-3!)+...+2^(-n!)+...といったものです。またこの数は、無理数度∞という数ですが、その話は置いておきましょう
また、0と小数点のあとに自然数を1から順番に並べた数(0.1234567891011121314...)は、チャンパーノウン定数と呼ばれ、これも超越数であることが分かっています。
カントールによれば実数のほとんどは超越数だそうですが、ある数の超越性を示すことは容易では無いそうです。
-ネイピア数とは-
ここで数Ⅲになって突然でてくるネイピア数eについて書きたいと思います。
まず定義は
{ 1 + (1/n) }^n → e (n→∞) ...①
です。
そして、eも超越数であることが分かっています。
(左辺が極限値を持つことの証明は省略します。あとlimも上記の形で省略することにします。)
ここで数Ⅲの復習を。飛ばしてかまいません。
[x]をガウス記号として、[x]=nとおく。
このとき n≦x<n+1 より、 1/(n+1)<1/x≦1/n
各辺に1を加えn乗すると、(不等号の向きは変わらない)
〔1 + {1/(n+1)}〕^n<{ 1 + (1/x) }^x≦{ 1 + (1/n) }^n
x→∞のときn→∞であり、(右辺) = { 1 + (1/n) }^n → e (n→∞) (∵①)
また、(左辺) =〔1 + {1/(n+1)}〕^n
= { (n+1)/(n+2) } 〔1 + {1/(n+1)}〕^(n+1) → e (n→∞)
よって、はさみうちの原理より{ 1 + (1/x) }^x → e (x→∞) ...②
さらに1/x=tとおくと x→∞のときt→0
よって②より (1 + t)^(1/t) → e (t→0) ...③
③において自然対数を考える。
log (1+t)^(1/t) = {log (1+t)}/t → log e = 1 (t→0)
よって {log (1+t)}/t → 1 (t→0) ...④
また log (1+t)=h とおくと、e^h=1+t ⇔ t=e^h - 1
t→0のとき、h→0で、④より h/(e^h-1) → 1 (h→0)
よって、 (e^h - 1)/h → 1 (h→0)
この式の言わんとするところは、つまりy=e^xの(0,1)における接線の傾きが1ということです。
要するに、y=a^xで表される指数関数のうち、(0,1)における接線の傾きが1となるものがy=e^xであるということですね。
それにしても数式書くのが面倒すぎますね。(どこか誤記がある気が…)エディタを導入しましょうか…。
-リンデマン=ワイエルシュトラスの定理-
さて、πの超越性を示す手順に入りましょう。
α1,α2...,αnが相違なる代数的数であるとき、e^α1,e^α2,...,e^αnは有理数でない集合において一次独立である。
すなわち
c1×e^α1 + c2×e^α2 + c3×e^α3 + ... cn×e^αn = 0
を満たす(c1,c2,c3,....,cn)の組み合わせは、(0,0,0,....,0)のみである。
というのがこのリンデマンの定理の主張です。
上記においてn=2,α1=0,α2=α≠0と定めると
c1×e^α1 + c2×e^α2 = c1 + c2×e^α
であり、1とe^αは有理数でない集合上で一次独立である。つまりαが0でなく代数的数であれば、e^αは超越数といえます。
さらにα=1とすると、eは超越数であることが示せます。
(本当はもっと厳密に背理法から証明することが出来ますが、ここでは書けません。)
-マクローリン展開-
さらにマクローリン展開について少し触れておきます。(ここも、かなり厳密性に欠けると思います。)
これは、テイラー展開の特殊な形です。
テイラー展開と言うのは、無限回微分可能な関数 f(x) から負冪の項を持たない冪級数を得ることです。
とくに、x=0付近で考える展開をマクローリン展開といいます。
文字が多くて難しそうに見えますが、順番に展開していくだけです。
f(x) = f(0) + f'(0)x + {f''(0)x^2}/2! + {f'''(0)x^3}/3! + ... {f^n(0)x^n}/n! + ...
というものです。(f^nは、fのn階微分ということにしてください)
なお、途中で区切ったりすることによって、近似を得ることができます。
{f^n(0)x^n}/n!の項で区切ることをn次近似といいます。
つまり1次近似はf(x) = f(0) + f'(0)xのことで、要するにこれはx=0における接線を取っていることになります。
さて、これを利用して、e^xやsinx,cosxを展開してみましょう
ちなみにe^xは何回微分してもe^xです。sinx,cosxを何回も微分していくとsinx→cosx→-sinx→-cosx→sinx→...というようになります。
e^x = 1 + x + (x^2)/2 + (x^3)/6 + ... + (x^n)/n!
sinx= x - (x^3)/3! + (x^5)/5! - (x^7)/7! + ...
cosx= 1 - (x^2)/2! + (x^4)/4! - (x^6)/6! + ...
(sin0=0,cos0=1なので、このように奇数乗と偶数乗になります。試してみると分かります。本当は、ダランベールの収束半径の話や、もっといえば規則的に並んでることもきちんと示さないといけないと思うのですが、ここでは省略します)
また、先ほどの近似の話ですが、
たとえば上の式よりsinxの近似(考えているのはx=0周辺です)をすると、sinx~x であり、
これよりsinxの極限公式 (sinx)/x → 1 (x→0) を導出することが出来ます。
cosxも二次近似すると極限公式を導出することができます。暇ならやってみてください。
-オイラーの公式-
人類の至宝ともいわれるオイラーの公式 e^(iπ) = -1
誰でも聞いたことはあると思います。
実は上記のマクローリン展開から容易に導くことが出来ます(何度も言うように厳密ではありませんが)
数Ⅲ関連で一番驚いたのはこれでしょうか。昔はマクローリン展開なんて、とても複雑そうに見えて手も出せなかったのですが、微分が分かればとても簡単な話だったという…。
それでは導出してみます。
sinxとcosxで偶奇が分かれていること、また±の規則性に注目です。
まずe^(iθ)を考えます。上の式にiθを代入します。
e^(iθ) = 1 + iθ - (θ^2)/2! - i(θ^3)/3! + (θ^4)/4! + i(θ^5)/5! + ...
={ 1 - (θ^2)/2! + (θ^4)/4! - ... } + i{ θ - (θ^3)/3! + (θ^5)/5! - ... }
= cosθ + isinθ
となります。特にθ=πのとき、e^(iπ)=-1 となります。
-πの超越性-
これらのことより、最後にπの超越性を示します。
[証明]
πが代数的数であると仮定する。
するとiπも代数的数である。
リンデマンの定理より、iπが代数的数であるならば、e^(iπ)は超越数である。
しかし、オイラーの公式より、e^(iπ)=-1であるため、これは矛盾する。
よってπは超越数である。
[Q.E.D]
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
数式の記述が見づらくなってしまって、なんかあれですが。
もし出来れば、次回以降は数式エディタなんかを使って書いていこうと思います。
さて、個人的には今回はなかなか綺麗な繋がりかと思ってます。
πが超越数かどうかの話は19世紀後期における数学界の難問だったそうです。
それも納得できる難しさで、この記事でもかなりはしょった上、僕もきちんと理解できてないです。もし間違いなどあったら、ご指摘ください(というかたぶんありますね)。あと詳しい人いたらリンデマンの定理あたりを教えてください。
さらに次に繋がるテーマを残しておきます。もし書ければ書きたいですね(何回目)
-アペリーの定理-
詳しいことは、というかほとんど省きますが、ゼータ関数というものがあり、それの特殊な値(ζ(3))が無理数になるという定理です。
ゼータ関数については次のところで書いてみたいと思ってます。
ともかく、ζ(3)が無理数になるという定理ですね。
ところがζ(3)が超越数かどうかは未だ解決していない問題だそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後に、今回のテーマをよりきちんと書いていらっしゃるところを紹介。
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~ooura/pi_trn.pdf
最初も言った通り分量的にもすごいペースで更新してしまいましたが、次の更新はあったとしてもある程度先になりそうです。
おしまい。
前回の続きは、書くのに時間がかかりそうなのでいったん置いておきます。が、今回のテーマとの関連も持てるようにするつもりです。
というか更新ペースがおかしいですが、次の更新は当分先の予定です。
まぁ書きましょう。
書く前から予感してますが、全体的に相当不正確です。あくまで流れということで。
厳密な説明は僕のレベルを越えてしまってます。その点については最後に捕捉を。
-超越数とは-
超越数とは、代数的数ではない数のことです。
すなわち有理係数の代数方程式の解とならないような複素数のことです。
単純な話をすれば、-2や1といった整数は、x+2=0やx-1=0の解になるし、(1+√5)/2のように一見複雑に見える無理数もx^2-x-1=0の解となるため、超越数ではありません。
一方、題で挙げたπは、上の例で挙げたような方程式を作ることが出来ない超越数です。
そして今回はπの超越性の示し方の流れを書きたいと思います。(あくまで流れ!)
少しそれますが、初めて超越数であると証明された数は、リウヴィル数という数です。この数の具体例を挙げると、2^(-1!)+2^(-2!)+2^(-3!)+...+2^(-n!)+...といったものです。またこの数は、無理数度∞という数ですが、その話は置いておきましょう
また、0と小数点のあとに自然数を1から順番に並べた数(0.1234567891011121314...)は、チャンパーノウン定数と呼ばれ、これも超越数であることが分かっています。
カントールによれば実数のほとんどは超越数だそうですが、ある数の超越性を示すことは容易では無いそうです。
-ネイピア数とは-
ここで数Ⅲになって突然でてくるネイピア数eについて書きたいと思います。
まず定義は
{ 1 + (1/n) }^n → e (n→∞) ...①
です。
そして、eも超越数であることが分かっています。
(左辺が極限値を持つことの証明は省略します。あとlimも上記の形で省略することにします。)
ここで数Ⅲの復習を。飛ばしてかまいません。
[x]をガウス記号として、[x]=nとおく。
このとき n≦x<n+1 より、 1/(n+1)<1/x≦1/n
各辺に1を加えn乗すると、(不等号の向きは変わらない)
〔1 + {1/(n+1)}〕^n<{ 1 + (1/x) }^x≦{ 1 + (1/n) }^n
x→∞のときn→∞であり、(右辺) = { 1 + (1/n) }^n → e (n→∞) (∵①)
また、(左辺) =〔1 + {1/(n+1)}〕^n
= { (n+1)/(n+2) } 〔1 + {1/(n+1)}〕^(n+1) → e (n→∞)
よって、はさみうちの原理より{ 1 + (1/x) }^x → e (x→∞) ...②
さらに1/x=tとおくと x→∞のときt→0
よって②より (1 + t)^(1/t) → e (t→0) ...③
③において自然対数を考える。
log (1+t)^(1/t) = {log (1+t)}/t → log e = 1 (t→0)
よって {log (1+t)}/t → 1 (t→0) ...④
また log (1+t)=h とおくと、e^h=1+t ⇔ t=e^h - 1
t→0のとき、h→0で、④より h/(e^h-1) → 1 (h→0)
よって、 (e^h - 1)/h → 1 (h→0)
この式の言わんとするところは、つまりy=e^xの(0,1)における接線の傾きが1ということです。
要するに、y=a^xで表される指数関数のうち、(0,1)における接線の傾きが1となるものがy=e^xであるということですね。
それにしても数式書くのが面倒すぎますね。(どこか誤記がある気が…)エディタを導入しましょうか…。
-リンデマン=ワイエルシュトラスの定理-
さて、πの超越性を示す手順に入りましょう。
α1,α2...,αnが相違なる代数的数であるとき、e^α1,e^α2,...,e^αnは有理数でない集合において一次独立である。
すなわち
c1×e^α1 + c2×e^α2 + c3×e^α3 + ... cn×e^αn = 0
を満たす(c1,c2,c3,....,cn)の組み合わせは、(0,0,0,....,0)のみである。
というのがこのリンデマンの定理の主張です。
上記においてn=2,α1=0,α2=α≠0と定めると
c1×e^α1 + c2×e^α2 = c1 + c2×e^α
であり、1とe^αは有理数でない集合上で一次独立である。つまりαが0でなく代数的数であれば、e^αは超越数といえます。
さらにα=1とすると、eは超越数であることが示せます。
(本当はもっと厳密に背理法から証明することが出来ますが、ここでは書けません。)
-マクローリン展開-
さらにマクローリン展開について少し触れておきます。(ここも、かなり厳密性に欠けると思います。)
これは、テイラー展開の特殊な形です。
テイラー展開と言うのは、無限回微分可能な関数 f(x) から負冪の項を持たない冪級数を得ることです。
とくに、x=0付近で考える展開をマクローリン展開といいます。
文字が多くて難しそうに見えますが、順番に展開していくだけです。
f(x) = f(0) + f'(0)x + {f''(0)x^2}/2! + {f'''(0)x^3}/3! + ... {f^n(0)x^n}/n! + ...
というものです。(f^nは、fのn階微分ということにしてください)
なお、途中で区切ったりすることによって、近似を得ることができます。
{f^n(0)x^n}/n!の項で区切ることをn次近似といいます。
つまり1次近似はf(x) = f(0) + f'(0)xのことで、要するにこれはx=0における接線を取っていることになります。
さて、これを利用して、e^xやsinx,cosxを展開してみましょう
ちなみにe^xは何回微分してもe^xです。sinx,cosxを何回も微分していくとsinx→cosx→-sinx→-cosx→sinx→...というようになります。
e^x = 1 + x + (x^2)/2 + (x^3)/6 + ... + (x^n)/n!
sinx= x - (x^3)/3! + (x^5)/5! - (x^7)/7! + ...
cosx= 1 - (x^2)/2! + (x^4)/4! - (x^6)/6! + ...
(sin0=0,cos0=1なので、このように奇数乗と偶数乗になります。試してみると分かります。本当は、ダランベールの収束半径の話や、もっといえば規則的に並んでることもきちんと示さないといけないと思うのですが、ここでは省略します)
また、先ほどの近似の話ですが、
たとえば上の式よりsinxの近似(考えているのはx=0周辺です)をすると、sinx~x であり、
これよりsinxの極限公式 (sinx)/x → 1 (x→0) を導出することが出来ます。
cosxも二次近似すると極限公式を導出することができます。暇ならやってみてください。
-オイラーの公式-
人類の至宝ともいわれるオイラーの公式 e^(iπ) = -1
誰でも聞いたことはあると思います。
実は上記のマクローリン展開から容易に導くことが出来ます(何度も言うように厳密ではありませんが)
数Ⅲ関連で一番驚いたのはこれでしょうか。昔はマクローリン展開なんて、とても複雑そうに見えて手も出せなかったのですが、微分が分かればとても簡単な話だったという…。
それでは導出してみます。
sinxとcosxで偶奇が分かれていること、また±の規則性に注目です。
まずe^(iθ)を考えます。上の式にiθを代入します。
e^(iθ) = 1 + iθ - (θ^2)/2! - i(θ^3)/3! + (θ^4)/4! + i(θ^5)/5! + ...
={ 1 - (θ^2)/2! + (θ^4)/4! - ... } + i{ θ - (θ^3)/3! + (θ^5)/5! - ... }
= cosθ + isinθ
となります。特にθ=πのとき、e^(iπ)=-1 となります。
-πの超越性-
これらのことより、最後にπの超越性を示します。
[証明]
πが代数的数であると仮定する。
するとiπも代数的数である。
リンデマンの定理より、iπが代数的数であるならば、e^(iπ)は超越数である。
しかし、オイラーの公式より、e^(iπ)=-1であるため、これは矛盾する。
よってπは超越数である。
[Q.E.D]
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
数式の記述が見づらくなってしまって、なんかあれですが。
もし出来れば、次回以降は数式エディタなんかを使って書いていこうと思います。
さて、個人的には今回はなかなか綺麗な繋がりかと思ってます。
πが超越数かどうかの話は19世紀後期における数学界の難問だったそうです。
それも納得できる難しさで、この記事でもかなりはしょった上、僕もきちんと理解できてないです。もし間違いなどあったら、ご指摘ください(というかたぶんありますね)。あと詳しい人いたらリンデマンの定理あたりを教えてください。
さらに次に繋がるテーマを残しておきます。もし書ければ書きたいですね(何回目)
-アペリーの定理-
詳しいことは、というかほとんど省きますが、ゼータ関数というものがあり、それの特殊な値(ζ(3))が無理数になるという定理です。
ゼータ関数については次のところで書いてみたいと思ってます。
ともかく、ζ(3)が無理数になるという定理ですね。
ところがζ(3)が超越数かどうかは未だ解決していない問題だそうです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後に、今回のテーマをよりきちんと書いていらっしゃるところを紹介。
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~ooura/pi_trn.pdf
最初も言った通り分量的にもすごいペースで更新してしまいましたが、次の更新はあったとしてもある程度先になりそうです。
おしまい。