2012年 広島大学(前期)理系数学 第4番 | ますいしいのブログ

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2012年 広島大(前期) 理系数学 第4番


(3) の詰めはベクトルの内積と図形的処理の合わせ技!




〔4〕 0 < θ < π/2 とする。原点 O を中心とする


単位円周上の異なる 3 点 A,B,C が条件


  (cosθ)→OA + (sinθ)→OB + →OC = →0 ・・・①


を満たすとする。次の問いに答えよ。



(1)  2つのベクトル→OA ,→OB は垂直であることを


証明せよ。


(2) |→CA|,|→CB| を θ を用いて表せ。


(3) 三角形 ABC の周の長さ AB + BC + CA を最大


にする θ を求めよ。



(解) (1) まず題意より,|→OA|=|→OB|=|→OC|= 1・・・②


①より(cosθ)→OA + (sinθ)→OB = - →OC


∴|(cosθ)→OA + (sinθ)→OB|^2 = |- →OC|^2 = 1(∵②)


⇔(cosθ)^2|→OA|^2 + 2(cosθsinθ)→OA・→OB


+ (sinθ)^2|→OB|^2 = 1


⇔ 1 + (sin2θ)→OA・→OB = 1


⇔ (sin2θ)→OA・→OB = 0


ここで 0<θ<π/2 ⇔ 0<2θ<π だから sin2θ≠0 


したがって,→OA・→OB = 0 ⇔ →OA ⊥→OB  (End) ・・・③



(2) |→CA|^2 = |→OA - →OC|^2


= |→OA + (cosθ)→OA + (sinθ)→OB|^2


= (1+cosθ)^2|→OA|^2 + (sinθ)^2|→OB|^2


= 2 + 2cosθ (∵①,②,③ より)


したがって, |→CA| = √(2 + 2cosθ) ・・・(答)


同様に,|→CB|^2 = |→OB - →OC|^2


= |→OB + (cosθ)→OA + (sinθ)→OB|^2


= (1+sinθ)^2|→OB|^2 + (cosθ)^2|→OA|^2


= 2 + 2sinθ (∵①,②,③ より)


したがって, |→CB| = √(2 + 2sinθ) ・・・(答)



(3) △OAB は直角二等辺三角形だから AB = √2 で一定.


よって AC + BC が最大となるときの θを求めればよい.ここで,

 

AC = √4(1+cosθ)/2 = 2√(cos^2・θ/2) = 2(cos・θ/2)


BC = √2(1+sinθ) = √2(cos・θ/2+sin・θ/2)^2


   = √2・(cos・θ/2+sin・θ/2)


∴AC + BC = √2{ (√2 + 1)cos・θ/2 + sin・θ/2 }


= √2 (√2 + 1,1)・(cos・θ/2,sin・θ/2) ・・・④


ここで,xy-座標平面で P (√2 + 1,1),Q (√2 + 1,0),R(√2,0) と


すると,△PQR は直角二等辺三角形だから PR = √2,∠PRQ = π/4.


④で (√2 + 1,1)・(cos・θ/2,sin・θ/2) は, ベクトル(√2 + 1,1) と


ベクトル(cos・θ/2,sin・θ/2) の内積である.よって,④が最大となるのは


ベクトル(√2 + 1,1) と ベクトル(cos・θ/2,sin・θ/2) のなす角が 0 の


ときで,すなわち θ/2 = ∠POR となるときである.


また△PQR は,OR = PR = √2 の二等辺三角形だから

 

∠POR = ∠OPR = θ/2 ,∠POR + ∠OPR = ∠PRQ = π/4 (外角) ,


したがって,θ/2 + θ/2 = π/4 ⇔ θ= π/4 ・・・(答)



( 注; Yゼミは,やや難 の表示です。)




                        by  ますいしい