2026年2月28日(土)、音楽食堂Мでの楽しいイベントを早抜けして、車を佐鳴台のエスケリータ68へ走らせました。昨年に予約してずっっっと楽しみにしていた友部正人さんのライブを観るためです。
2年半ぶりのエスケリータ公演、行って来ました。友部さんのステージは何度でも観ても汲めど尽きぬ滋養があるので、何度でもいくらでも観たくなる。

70年代フォーク勢の中において、ステージでの楽しいお喋りを売りとせず、純粋に歌とギターだけで2時間のステージを聴かせる姿勢は、弾き語りの理想形のひとつで、僕の手本であります(とても真似できないけど)。

開演時間の15分前にかろうじて会場に滑り込み、客席のポテティ中村さん、だあこえさん、音緒さん、フルーキーさんとご挨拶しました。皆さんともお久しぶりで会えて嬉しかった。

座って開演を待っていると《マシスさんですか?》と初対面の方に話しかけられてビックリ。なんでも僕が先日書いた、こんど友部さん観に行くよ、という日記をXで見つけてくださったそうで、おおーこんなことあるんだ、と思いました。お声かけありがとうございます今日は楽しみましょう、とお声かけ返しをしました。

以下、この夜のセットリスト。友部さんは毎回セットリストを変えるので、掲載させて頂きます。

友部正人ライブ at エスケリータ68

2026年2月28日(土)


01.ブルース
02.バレンタインデー
03.一枚のレコード
04.月がボタンをかけた夜
05.銀座線を探して
06.小林ケンタロウのいえ中華
07.ヤブツバキ(新曲)
08.小鳥谷
09.ほしのこどもたち
10.クワガタ

11.遠来
〜休憩〜
12.あいてるドアから失礼しますよ
13.もうずっと長い間
14.めがねをふく(新曲)
15.車の免許を取りに行こう(新曲)
16.長い旅(新曲)
17.ユニコーン
18.少年とライオン
19.ぼくの宝石(新曲)
〜encore〜
20.夜中の鳩
21.水門



前半ステージはアルバム『銀座線を探して』からの曲を中心に、後半は4月に発売される二枚組ニューアルバムからの曲を中心に歌われました。


いつも思うのですが、これだけキャリアのあるミュージシャンでこんなにも新曲中心にセットリストを組む人って、本当に珍しいと思います。新しいCDを買ってもらいたい気持ちもきっとあるでしょうけども、70歳を過ぎてなお友部さんは新曲を作って歌うのが楽しい、って気持ちが伝わってくる。


代表曲や人気曲を並べた懐メロライブに絶対ならない。この現役感こそ友部正人です。


一曲目は「ブルース」から。手拍子を伴って明るくスタート。「バレンタインデー」はメロディの美しいワルツ曲ですが、歌うのが難しそう。この2曲は前のアルバム『あの橋を渡る』から。


「一枚のレコード」はアルバム『銀座線を探して』で僕のお気に入りの一曲。ただ中古レコード屋でレコードを買った、ってだけの内容なのに、コレが良い。「月がボタンをかけた夜」はすでにステージで友部スタンダードの風格すらあった。「銀座線を探して」は昨年暮れに、歌の聖地巡礼じゃないけど、正にこの歌を歌いながら渋谷駅を歩いてたことを思い出しました。


「ヤブツバキ」はおそらく新曲。これまた歌うのに難しそうな歌で、最初、ヤブツバキが何て言ってるか分からなかった。不思議なメロディでした。


「ほしのこどもたち」はおおたか静流さんへの提供曲。すごく良い歌。ふちがみとふなと&友部正人のユニットLDKの最新アルバムにも収録されてます(この日買いました)。


前半ステージのラストは「遠来」。友部正人の映画『遠来』が公開されるので、きっと演ってくれると信じてた。新しめの歌が続いた後での「遠来」の破壊力ときたら。ひと言ひと言ビシビシ響いちゃって、目頭が熱くなった。


10分ほどの休憩を挟んだ後、後半ステージスタートです。


一曲目は冒頭の第一声で客席からオオー!っと歓声の挙がった「あいてるドアから失礼しますよ」。これはみんな大好き。新曲もいいけども、この辺りの歌の強さときたら最高。まさか《メキシコ人はハイウェイの上さ》なんて歌詞で泣けるとは。


続けて歌われた「もうずっと長い間」も、ライブで聴けて嬉しい一曲。名盤アルバム『1974』はずいぶん聴き返してないな。「あいてるドア〜」もこの歌も次の二枚組アルバム『長い旅』に収録されるそうです。


「めがねをふく」「車の免許を取りに行こう」「長い旅」と新曲を続けて、クラムボンの原田郁子さんへの提供曲「ユニコーン」と、友部ライブで初めて聴ける歌の連発。攻めてくれてます。友部さんの歌う「ユニコーン」が聴けるとは。


ライブ終盤、ここで「少年とライオン」投入。人気曲です。ラララの静かな合唱が起こりました。この歌詞もホントいいよなぁ。


本編ラストは、まさかの新曲「ぼくの宝石」。ラララのサビが印象的なマイナーコードのナンバーです。締めの曲で新曲をかけるか。攻めるにも程がある。さすが?。



ギターを下ろす間を待たずアンコールを求める手拍子の嵐。アンコールの一曲目は「夜中の鳩」。これもちょっと珍しい渋い選曲だと思う。友部さんの近年のお気に入りなのでしょうか。


本当に本当のこの夜のラスト曲は、個人的にも大好きな名曲「水門」。もういっそ新曲で終わっちゃえ、とも一瞬思ったけど、「水門」はやはり聴けて嬉しい。グッときましたよ。演ってくれてありがとう。


2時間たっぷり、ギター弾き語りの友部正人を堪能しました。終わった直後にカズーを唐突に吹き出して驚いたけど、もしかしてあれは終演のファンファーレだったのか。次は2年半なんて空けず、来年にですぐ来てほしいですね。この夜も滋養をたっぷりもらいました。


何が滋養かって、歌の力と、やはり新曲です。つまり、新しい歌を作るのが今でも楽しくて仕方ない友部正人を目の当たりに出来たこと、コレですね。ホント勇気をもらえる。ベテランになればなるほど、どうしても皆さん新曲のペースが落ちますからね、友部正人とさだまさしの創作意欲はあの世代では異常ですよ。


友部さんはもう、仕事での歌作りというより、おそらく日常習慣として、それこそ毎日歯を磨くように、日記でも付けるように歌を作られていて、そこに憧れてしまうのですね。

この日買ったLDKの新譜『ブルースとワルツ』この日記を書きながら三回目を聴いてます。笑っちゃう。笑っちゃうくらい良い。「カズさん」こんな歌たまんないよ。ミュージカル『100万回生きた猫』への提供曲もたまんないよ。

 

 

友部正人さんの映画『遠来』は東京の映画館でのみ公開らしい。観に行きたい。出来たら浜松のイーラとかで単館上映していただきたい。




友部さん御自身は物静かで、決して雄弁でないけど、こと作詩においては世界でも有数の言葉の使い手です。紡ぐ言葉の美しさ、構築の巧みさはどこを見渡しても比肩するものがありません。本当に、なんでこんなことが出来るんだろう、って、歌を聴くたびに思う。どう研究しても友部さんの作詩のメカニズムは見つけられない。数々の友部フォロワーがいれど、誰も友部正人の芯の部分はコピーできない。

それでも、いや、だからこそ友部正人の音楽は追いかけたくなるのか。

抽象的な話をすれば、拓郎でも尾崎豊でもミスチルでも何でも、フォロワーはいっぱいいるでしょうけど、もう今からそちらの道を散策に行っても、すでに散々たくさんの人に荒らされて何も残ってないでしょ、って思っちゃう。でも友部さんの歩いてる道の後って、まだまだこんなに広い大地があるよ、って教えてくれてる。本当にそんな気がするのです。いざ目を向ければ、そうかこの手があったか、の雨あられ。何もかも目からウロコなのです。


エスケリータ公演の終演後、エスケリータでご飯食べてから帰ろう、と思ってたのですが、ポテティ中村さんより、大阪から来てくれたお客さんを浜松駅まで送ってほしい、と頼まれました。新幹線の時間があるし、中村さん御自身は友部さんを送っていかなきゃならない、と言うので、急いで車を取りに行って、駅までお送りしました。その方がなんと、最初に《マシスさんですか?》と話しかけてくださったハイゴさんでした。道中に友部さんのお話をしながら送らせてもらったけど、なんとも不思議な御縁の夜だと思いました。

浜松駅からエスケリータにまた引き返すのも面倒になって、この夜はそのまま帰路へ。急だったので誰にも挨拶せずお店を出て帰ってしまって失礼しました。
エスケリータのご飯ではないですが、帰り道のラーメン屋で遅い夕食。ひとり打ち上げご飯をいただきました。


昼間にイベントがあって、その後のライブ観覧と、一日遊んでなかなかヘトヘトになりました。そりゃ楽しかったですよ。

 

 

 ↑この夜の物販で一枚しか置いてなかった『シングルコレクション』、だあこえさんに先を越されて買われてしまった。ああー羨ましい。


 

 ↑新作、二枚組!楽しみ!





マシス