「浮浪雲」はジョージ秋山がビッグコミックに長期連載していたマンガですが、今年になって日曜日の夜に実写ドラマが始まりました。僕は浮浪雲のファンでしたので、このニュースはオッと思いました。
主人公の雲を演じるのは佐々木蔵之介。これはなんとなく期待出来そうだ、と、毎週録画しておいて、時間のある時に観始めております。
1話、2話はウーン、頑張ってるけど、マァこんなものだろうなっていう印象。原作マンガのエピソードの骨格に沿った脚本で、そこは良かったです。3話まで来て、ようやく蔵様の浮浪雲が馴染んで面白くなってきた。これから続きが楽しみではあるのですが、個人的にはまだ正直、ちょっと物足りない。
というのも、やはり78年に作られた渡哲也主演の浮浪雲が印象に強いのですね。僕が小学生の頃でしたか、時代劇なのになんて洒落ていて楽しいドラマだ、と思ったもので。原作マンガより先にテレビドラマで浮浪雲を知ったので、どうしてもそちらを贔屓に見てしまうのです。
知らなかったけど、78年のドラマ「浮浪雲」って制作が石原プロで、脚本が倉本聰だそうです。こんなコミカルなドラマを作ってたの?とビックリ(最終回には裕次郎も出てるらしい)。当時は渡哲也のこともよく知らず観てたのです。後から、西部警察が浮浪雲を演ってたんだ?って思いましたものね。
そういえばビートたけし主演でも「浮浪雲」のドラマをやってましたね。その時も楽しみにして観たけど、あれはすぐ観るの止めちゃいましたっけ。
ドラマ化されると、原作とイメージが違う、というファンは必ずいるでしょう。その意味では渡哲也の雲もマンガの雲とは印象が違う。僕なんてドラマ観た後から原作を読んで、なんかマンガの「浮浪雲」って思ってたのと違うぞ、って思ったくらい。
あれです。アニメのルパン三世のファンの方が原作のモンキー・パンチのマンガを読んで、アニメの方が好きかも、って感じる人もいるでしょう(マンガのルパン三世も面白いのですけど)。それと似た感じで、テレビの浮浪雲インパクトがそれくらい僕にとっては大きかったです。
でも、マンガはマンガで、おもしろさの質は違えど大好きです。昔、古本屋に行って見つけた数冊が手元に残っています。

遊び人で怠け者の主人公の雲ですが、周囲の人に何故か慕われています。巻の始めの頃はまだキャラクターが定まってなくて、雲もけっこう俗っぽい事を言うし、遊び人の典型でひどい事もしてたりします。
当初は《だらしなく見えて実は、、、》のテンプレートだった物語が、巻が進むごとに雲が魅力的になって、お話に奥行きが出てくる。雲が突拍子のない事をしても、実は雲の了見では無意味なことじゃなかったりする。むしろ、無意味なことはキチンと無意味に過ごすべき、とでも言いそうな(?)、まるで禅問答のような心の広さの人になっていきます。
熱血、根性のドラマがまかり通っていた時代に、《真面目にやるのって、疲れるんですよね》って言っちゃう主人公は珍しかったかもしれません。
雲は決して聖人君主ではなくて、理不尽もすればデタラメもやる、毎日のんべんだらりといい加減にしてる人なのに、明るくて人気者、で、いざとなればべらぼうに強いという。これは憧れましたね。スーパーマンですものね。
でも、「浮浪雲」の面白さって、雲の超人っぷりだけでなく、雲を取り巻く脇役の素晴らしさによるところが大きいです。奥様のカメさん、息子の新之助、娘のお花、番頭の欲次郎、渋沢先生などなど、だんだん雲の周囲の人たちが作るドラマがメインとなって、雲は美味しいところでちょこっと出るだけ、って回が多くなります。だからこそ世界観が膨らんで長く連載出来たのでしょうね。
原作マンガのエピソードで、僕が堪らなく好きな話があります。第4巻の10話「大弱点」。これはもう、泣けます。
内容説明を抜粋
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《普段何があっても動じず、涼しい顔をしている雲だが、息子、新之助の病気に真剣な表情を見せる。父親としての雲が描かれた一編(第10話)。》
そして第7巻の8話「定八の結婚」。これも、いい(!)。読後感があたかも落語の人情噺を聞いたようにジンとします。

今ふと思ったのですけど、この二つの話、いつもふざけている雲がフッと見せる真剣な眼差し、それが全てというか、雲のギャップに萌える2編ですね。片や病気の新之助の姿に動揺する雲、片や定八の頼み事で事情の全てを察し、その定八に素っ気なくも最大級の賛辞の言葉をかける雲。で、その次のコマの無言で男泣きする定八の姿とか、もうヤバい。
原作のマンガは全122巻だそうで、とても全ては追いかけられない。それでも連載中はよくコンビニでビッグコミックをパラパラと立ち読んだものでした。懐かしいですね。
佐々木蔵之介のドラマ浮浪雲は全8話だそうで、明日が第4話の放送日。これからどうなるか。つまんなくて一気に興味を無くすか、まぁ最後まで観てみようと思ってます。
でも、こと「浮浪雲」に関しては、ドラマでもなんでも、こんな浮浪雲は認めねぇ、なんて言ってると、《怖い顔して、どうしたんでんす?》と雲に笑われてしまう気がしますね。文句をつけるのは野暮、楽しんだ者勝ち。小事を気にせず、流れる雲の如し、です。
音楽の話も書きます。先週の第200回フリーダムフォーク集会にて、マシスの歌った一曲「遠い列車」の動画を頂きましたので、シェアします。

ドラムのよしやすさんに昨年のうちから《(せっかくの200回だから)一緒に一曲演りません?》とお誘いしていて、動画のやり取りをして、本番は一発勝負。よくぞ合わせてくれました。
「遠い列車」は、僕がマシスの名前で歌い始めて、最初に人前で歌った自作歌です。作品番号1号といえる歌で、今思うと、内容が生真面目だな、と感じつつも、だからこその愛着もあって。最近の演奏でこうして動画を残せて良かったです。
歌予定のお知らせですが、来月、音楽食堂Mで歌わせて頂きます。

音楽食堂Mのマスター西田さんが以前より、オリジナル曲のイベントを、と仰っていて、お声掛けもらえて嬉しいです。1ヶ月以上先の話ですが、楽しんでいっぱい歌いたいです。
マシス