先週の金、土、日、とライブ観戦三連チャンの最後を飾るは、リクオと中川敬の浜松公演。2024年9月28日(日)浜松のライブバー【Merry You】へ行って来ました。リクオのレコ発ツアーで、ソウルフラワーユニオン中川敬とのジョイントライブを観て来ました。

リクオは2019年のアルバム『グラデーション・ワールド』があまりに良過ぎてファンになったばかりのホヤホヤで、中川敬はニューエスト・モデルの2ndアルバム『クロスブリード・パーク』からのファン(でもソウル・フラワー・ユニオンになってからはそんなに聴けてない)。
この二人にいっぺんに会える!ってだけでお得に思う。でも三夜連続のライブ観戦になっちゃうなーと葛藤しつつも、こんな機会はちょっとない!とチケットを予約しました。
二人がどんなステージをするか、どんなお喋りをするのか、生でライブを観たことないので余計に楽しみでした。またまたまた家を空けて夜遊びに行くことを家族に詫びつつ、浜松へ。

遠鉄電車の高架下を通ると、アジアンミュージックの催しがやってて、賑やかでした。
入場時間の18時にライブバー【Merry You】へ。

Merry Youって、おそらく16、7年前に一度来た以来でしたが、場所が記憶にある所と違ってた?お店に入って予約の名前を告げると、予約表が僕の名前が一番上でした。一番って意味もなく嬉しい、ヤッタ。
定刻18時半を少し過ぎてライブスタート。

良かった。もう、ヤバかった。なぜこれを今まで知らずにいたかと思うほど、心の底から楽しかった。リクオのピアノは連れ合いと娘にもぜひ聞かせたい。いや、知り合い全てに《リクオのライブは観るべき》と触れ回りたくなりました。
グランドピアノの音はキラッキラしてて、鳴った瞬間にゾクゾクっとキタ。リクオが《良い音だ!》とマァ楽しそうに弾きまくり。中川敬はアコギを無骨に鳴らし、二人の歌声はぜんぜん違うタイプなのに、互いの曲に見事にコーラスを付け合ってました。
二人で登場して、まず互いの曲を交互に演奏、間にソロコーナーを約30分ずつ挟んで、また二人に戻って演奏する形でした。セットリストは初めて聴く曲がほとんどだったけど、演奏される曲がぜんぶ良い曲。一曲終わるごとに必ず中川敬が《リクオの「光」でした!》と曲名を言ってくれるので、あの曲はなんて曲だろう?と迷わず助かりました。
二人とも百戦錬磨のライブ巧者なので、当たり前ですが上手いんです。盛り上がろうぜーなんて陳腐なこと言わずとも、シャイな浜松のお客さんが問答無用で騒いじゃうほどに。お客さんと一緒に楽しもうって気持ちが二人からガンガン伝わってきた。
中川敬のソロコーナーでは楽しいお喋りと新曲に加え、ポーグスとニーナ・シモンの日本語カバー曲を披露。新曲「空を見ろ流れ星」良かった。一曲一曲、どんな思いで自分がこの歌を作ったか、丁寧に語ってました。長めのお喋りは御愛嬌ですが、中川敬の説明を聞くと歌の印象がまた違ってくる。歌風景が色濃く深く変わるのです。
リクオのソロコーナーでは「かけがえのない日々」って歌がとても良かった。同じ歌を歌ってもその日のピアノで、その日の会場で、その日のお客さんで、その日のお酒で(笑)演奏は違う、と話しつつ、MerryYouのピアノを弾いてたら歌いたくなった、と。
本当に思いつきだったのか、ちょっとコードを確認させて、とピアノをワンコーラスほど弾きながら《、、ん、違うな、、、うん、やってみます》と始まったら、染みた染みた。歌詞カードとか読まずとも、美しいメロディに乗せたシンプルな言葉がスッと届いて、初めて聴く歌で目頭が熱くなってしまった。新譜からの「ハグとキス」も良かったな。
リクオは歌いながら時々客席を見るのです。身体はピアノに真正面のまま、首をひねってマイクの左横に顔を回し、客席に目配せしながら歌うのです。さぞや体勢が苦しいだろうに、お客さんがどんな顔して聴いてるか見ていたいのだな、と思うとすごく好感。こういう瞬間を見るとリクオが好きになります。
そういえば、矢野顕子も首を右に向けてお客さんに笑いかけてたな、とふと思い出しました。ちなみに谷山浩子は歌ってる時はピアノに真っ直ぐで、喋る時に立ってハンドマイクで客席に向かいます。首をひねるリクオ見ながらそんなことを思った。
二人のステージに戻って、いきなりのボ・ガンボスの思い出の雑談が始まった(!)。二人が初めて会った頃っていつだっけ、って話から、当時二人ともバンドやってて、二人ともボ・ガンボスの追っ掛けやってた、ウルフルズのトータスもボ・ガンボス観に来てたし、みんなボ・ガンボスに影響受けてた、との話。マァ興味深いこと
中川敬が《ボ・ガンボスのライブ観て、楽屋に挨拶言って、自分のCDを聴いてくださいーってどんとに渡して、帰り道にはもう奥野(真哉)に、お前明日からピアノ弾け、ってゆうてた。で、「こたつ内紛争」作った》ですって。
リクオは《自分のライブにいっぺんDr.キョンさんが観に来てくれて、ライブハウスの一番後ろにおったんやけど、あの人デカイから目立つの(笑)。あ、キョンさんおる、って。で、アンコールでいきなり、突然ですがスペシャルゲスト、Dr.キョン!って声かけたら、あの人、何事もなかったようにスッとステージ出てきた(笑)》
こんな超貴重な話、友人同士の会話みたいに喋ってくれて、すごく面白かった。
初めて本人の演奏で聴けた「満月の夕」、やはり盛り上がりました。「満月の夕」はプロアマいろいろな人が歌ってるので、みゆきの「糸」同様にやや食傷気味だったのですけど、生で本人演奏はとんでもないよ。空気が変わったよ。曲の持つ地力が半端ないよ。ああ、この声だ、これが生で聴けて得した!と思いましたよ。
リクオの新譜から「酔いどれ賛歌」「リアル」、中川敬の新譜から「石畳の下には砂浜がある」「いのちの落書きで壁を包囲しよう」どれも本当に良い歌。ラストは大好きな『グラデーション・ワールド』から「永遠のロックンロール」!聴けて嬉しかった!
こんなにも皮膚感覚でライブ楽しい!って思えたのはいつ以来だろう。ヒライマサヤ君を初めて観た時もこうだったな。初めてって免疫が無い分、驚きとインパクトで感動するものですけど、でもリクオは次もまた是非観たい。

終演後、さあサインしますよーって出て来た二人に、サインをお願いしました。

リクオはサインしながらとても気さくに話してくれて、包み込むような良い人オーラを醸し出してました。そしてファンだった中川敬を前にして僕は、うおー緊張する、と思わず言ってしまった。すると中川敬笑って、緊張するようなモンじゃないよ、とサインと握手をしてくれました。2ndアルバムを聴いて以来のファンですと告げると、あれ、来年アナログレコードで再発するから、と応えてくれました。

この二枚のCD、どちらも最高です。実際に聴いてみて、おべっかじゃなく、両方とも僕がいま一番聴きたいと思う音楽が鳴ってる。リクオは期待しまくって期待通りだったけど、中川敬の『夜汽車を貫通するメロディヤ』はニューエスト・モデルを含めても最高にこれが好き。
二枚ともずっと聴いています。部屋で『リアル』聴いて、車では『夜汽車を貫通するメロディヤ』聴いて、どちらも最高。
名古屋、袋井市、浜松市と、三日連続のライブ観戦終了です。自分が歌ったわけでもないのに、三夜の濃いライブはグッタリ身体に疲れを残しました(夜勤明けで寝不足でしたもので)。こんなに連続で家を空けるのは今後しばらくないでしょう。三日間もひとり夜遊びに出してくれた家族に感謝。素敵な演奏を観せてくれた演者さんに感謝です。
10月に入って、これでしばらくフリーダムフォーク集会の司会以外の音楽イベントは控え、大人しくしてようと思います。娘の試験のスケジュール次第で、うまく隙間があったらどこかへフラッとお邪魔するかもですが(12月が試験の谷間と聞いてますが、基本は無理に外出はやめときます)、来年の春までは大人しく引きこもっています。凄いライブをお腹いっぱい観て食い溜めしたので、これで乗り切ろうと思います。
11月9日に予定しているフリーダムフォーク集会は、一次会の出演者が決まりそうです。また改めてお知らせします。11月のフリーダムは第二土曜日開催なので、お間違えないよう、よろしくお願いします。
マシス