



01. SPARKLE
02. LOVE’S ON FIRE
03. 人力飛行機
04. 夏への扉
05. 僕らの夏の夢
06. Sync Of Summer
07. Paper Doll
08. ポケット・ミュージック
09. シャンプー
10. ONLY WITH YOU (アカペラ)
11. I LOVE YOU…Part Ⅱ (アカペラ)
12. クリスマス・イブ
13. 蒼氓
14. さよなら夏の日
15. メリー・ゴー・ラウンド
16. 今日はなんだか
17. LET’S DANCE BABY
18. アトムの子
---Encore---
19. パレード
20. Ride On Time
22.恋のブギ・ウギ・トレイン
23.YOUR EYES
一曲目のおなじみ「SPARKLE」イントロのギターで、キタキターと思ったけど、歌い出したヴォーカルがコモッて聴こえて、アレ?って思った。久しぶりのホールコンサートだから自分の耳が慣れてないのか?間奏で達郎がスタッフに耳打ちしてましたが、対応調整をしたのか、三曲目あたりで気にならなくなってた。
二曲目の「LOVE’S ON FIRE 」はライブで初めて聴きました。そもそもアルバム『SOFTLY』が出てからのライブは観てなかったので、当然のこと。会場まで来る道中のカーステで『RAY OFHOPE』と『SOFTLY』を聴いてきまして、おお「LOVE’S ON FIRE 」カッコイイー。ライブで演ってくれたらいいな、と思ってたので、嬉しかったです。
そう、達郎コンサートは定番曲もさながら、聴いたことない曲が聴きたいと思うもので、ようやく聴けた「人力飛行機」も嬉しかった。アウトロでメンバーのソロ演奏がたっぷりと気持ち良かった。
《世の中ギスギスと殺伐とした空気ですが、せめて自分のコンサートの間はそれらを束の間忘れて頂けたら》と達郎。夏の歌を三曲続けて聴いていただきます、と言って始まった三曲が、個人的に大好きなセレクトで素晴らしかった。ああ「夏への扉」何度聴いても大好き。そして「僕らの夏の夢」コーラスの《golden summer , we are together》で思わず目頭が熱くなりました。そしてそして新曲「Sync Of Summer」聴けて嬉しい格好良かった良い曲だな。
ファンは思い出の懐かしい曲を聴きたがるものでしょうけど、格好良い新曲を僕はステージで観たいです。どしどしステージでキメて欲しい。
「Paper Doll 」は古参ファンは大好きであろう佳曲。この歌もアウトロでソロ長めたっぷりヴァージョン。続く「ポケット・ミュージック」は言わずとしれた名曲。自分の人生にそっと寄り添ってくれる《音楽》への敬意を、これほど何気ない言葉で美しく完璧に歌った曲は他にないと思う。
エレピに座って弾き語りは「シャンプー」。始まる前にポロポロッと「雨は手のひらにいっぱい「2000トンの雨」「ドリーミング・デイ」を一節だけ披露するサービスも。
恒例のひとりアカペラコーナーでは、アルバム『BIG WAVE』から二曲。アルバム発売40周年だそうです。そして続くはもちろん「クリスマス・イブ」。わかっていてもこのお約束が嬉しい。
大好きな『蒼氓』は気合たっぷり10分を越えるかの熱演でした。いつだってこの歌はコンサートのハイライトの瞬間を生みます。心が舞い上がりそうな演奏。
ワイヤレスは嫌い、と常に言っている達郎があえてハンドマイクで歌う「さよなら夏の日」。会場の左右へ歩いて行って、ファンに手を伸ばすように歌い喜ばせます。これって前に「君の瞳に恋してる」でやったパフォーマンスがウケたので定番化したのかも。
《来年デビュー50周年で、300曲以上作ってきた》ということで、自分のお気に入り曲でもライブで何年もやれていない、という曲がどうしてもあるのだそう。7年ぶりの「メリーゴーランド」ご機嫌だ最高。シュガー・ベイブのナンバー「今日はなんだか」懐かしい。そして大定番「LET’S DANCE BABY 」。みんな一斉に立ち上がります(達郎コンサートはこの曲までは座って聴くお約束)。心臓に指鉄砲のクラッカーで火薬の匂いがプーン。達郎《昨日より(クラッカーの音が)多い!》。ラストはイントロで客席は大爆発「アトムの子」で本編終了。
アンコールは、まず竹内まりやの新譜の宣伝。そして、自分が来年デビュー50周年ということで、《21歳の時、部屋のこたつの中で作った歌を、2024年にステージで歌うなんて》と「パレード」を軽快に演奏。
そして達郎がテレキャスターを空カッティングすれば、もちろん「Ride On Time 」。恒例のマイクなし歌唱パフォーマンスもバッチリ決めてくれました(オレ、いくつまでコレやるんだろ笑←達郎)。三階席の上まで轟く生声のスキャット!we got a take!a! ride !on! tiiiiiiiiime!素晴らしい。
「クリスマス・イブ」も「Ride On Time 」も達郎コンサートでは絶対に聴けるけど、今回じっくり聴いてみて、なんて丁寧に歌ってることかと思いました。そして、毎回だからマンネリ、ではなく、曲が始まった瞬間から本当に嬉しくなる、お約束まで昇華したマンネリの強度を思い知らされます。
こんなもので終わらない、とばかり放たれる「恋のブギ・ウギ・トレイン 」で会場が一瞬でダンスホールに。長い長い。達郎御年71歳、3時間出ずっぱりで歌ってこの元気よ。
ここでオマケがくることを期待したけど、この夜は弾き語り「ラスト・ステップ」はなく、いつも通り「YOUR EYES 」で終演。

パンフレット買うと無料でもらえるオマケのステッカー。今回のパンフに寄せられたミッツ・マングローブの文章がただただ秀悦。よくぞ言ってくれた、と膝を打つ名文でした。
パンフレットに《コンサートは果たし合い》という山下達郎のコンサートは、毎回《たっぷり》チケット代以上の音楽をもらった!と心の底から思わせてもらえます。バンド演奏からも達郎からも、お客さんに絶対に損はさせない、最高水準のパフォーマンスをこれでもかと提供して満足して帰っていただく、という矜持がステージからビシバシ伝わってくる。これはずーっと変わりませんね。だから何度でも観たくなるし、チケットは毎回入手困難な状況なのでしょう。
達郎のコンサートは可能な限り見続けていきたい、と思ってたけど、近年、達郎の年齢のことを思えば、こんな凄いものを目の当たりに出来るのはこれが最後かも、と考えてしまいます。今回のチケットも、申し込みどうしよう、と少し迷いました。これまでに一番凄い時を観てきたから、もういいかなと。でもこうして行って観れば満足させられちまう。
コロナにかかって以来、お酒を止めたら声の調子が以前より良くなった、という達郎ですけど、それでも、これを当たり前にいつだって観れると思ってちゃいけない、奇跡のようなものを今日は観てきたのだと、そう噛み締めて観なくてはもったいないです。
3時間半が当たり前だったのが、3時間弱になろうと、たっぷり観た!という満足度は変わりません。むしろ、71歳で出ずっぱり歌いっぱなしで3時間なんて、凄すぎます。化け物ですね。
マシス