佐野元春が今年、春と夏に二枚アルバムを出すとのことで、まずは4月8日に第一弾、配信のみのアルバム『ENTERTAINMENT!』が出ました。やったやった。

これまで僕、配信で音楽は買ったことありませんでしたが、さすがに今回は頑なにオレ買わないよなんて言ってられません。初ダウンロードにトライするしかなかった。しましたよ。だって元春が年に二枚アルバムを出すプロジェクトの第一弾ですよ。参加するしかない。

これが配信シングルだったら、おそらく(これまで通り)買わなかったでしょう。待っていればきっとアルバムに入れてくれるだろうし、実際、前作の『或る秋の日』(素晴らしいアルバム)はそれまでの配信シングルを入れてくれましたから。

ダウンロードは土曜日の朝、iTunesストアで、連れ合いに教わりながら行いました。おそろしくあっけなく買えた。なるほど。歌詞カードやパッケージにこだわりがなければ、これは楽ですね。


でもやはり、僕はディスクで聴きたい派ですので、パソコンからCDに焼いて、部屋のCDコンポで一日聴いてました。せっかくなので、手持ちの空のCDケースで、CDジャケット作った。

自分用のCDパッケージです。こういうのを作るのはとても楽しい。

パッケージ裏↓

背表紙も作った↓
今回の『ENTERTAINMENT!』は既発シングルが5曲、プラス新曲5曲ということで、そういう意味では『或る秋の日』に性質が似たアルバムといえます。しっとりジックリと聴き込めた『或る秋の日』に比べると、むしろ今作は、春の日、といった雰囲気か。一聴して陽のエネルギーが溢れているのを感じます。

コロナ禍に制作されたためか、どの歌も普遍的なポップロックでありながら、コロナ禍においてのメッセージとも聞こえる歌たち。まだまだ聴き込んでないのですが、思いつくメモ書き程度の感想を(のぼせた頭で)記します。

僕の今の個人的お気に入り度合いは⭐の数5点満点で(星1つでもお気に入りですよ)。

01 エンターテイメント!

正しくシングル向けのシングルって印象。元春の40周年イベントはこの曲から始まった!冒頭歌詞の四行、《手のひらの中/どうしようもない呟き/胸が痛むのはなぜ/もう涙もないよ》この歌詞とメロディの絡みこそ、ああ元春だって思う。⭐⭐⭐⭐


02 愛が分母

こんなタイトルで歌を作ったのは世界中見渡してもたった一人でしょう。最初これ聴いた時は、能天気な明るさに腰が砕けましたが、聴けば聴くほど好きになって、今ではすっかりお気に入り。浜松のライブで演奏してくれて盛り上がったのも忘れられない。スカパラホーンズのご機嫌なイントロ最高。⭐⭐⭐⭐


03 この道

コロナで緊急事態宣言の最中、コヨーテバンドとリモートによるレコーディングで録られ、急遽発表されたこの歌。911の時の「光」同様、世界が元気のない時に即座にアクションを起こしてくれる元春が好き。ちょっとチープな宅録感が悪くない。レゲエ調のリズムが軽快な佳曲。⭐⭐


04 街ノ空ハ高く晴れて

ドライブソング。ご機嫌なイントロのリフは「僕にできること」の併用か。目に写る情景、心象風景のカットを畳み掛ける歌詞は元春のお手前です。かつて「情けない週末」で街を描いた手法と同じように、東京の地名、建物、情景をパシパシと歌うことで、元春の観ている視点を僕らも共有して、あたかも自分でドライブしているかの臨場感。《連休だァ》の口調が可愛い。⭐⭐⭐


05 合言葉 - SAVE IT FOR A SUNNY DAY

どこを切っても爽やかな美メロディ。これも実に元春らしい、シングル向けのシングル。コロナ禍においてのメッセージ色を強く感じますが、元気をだそう!って誰に言われるよりも、ポジティブを押し付けないこの歌の励ましは心地好い。メジャーセブンスのコードが美しい《ゆっくりと世界は息を吹き返す》のメロディが堪らない。⭐⭐⭐⭐⭐


で、ここから5曲が新曲。


06 新天地

ライブで盛り上がること間違いなし。序盤からがーっと引き込まれて、あれよあれよと思ってるうちに、終盤には地球の外にまで運ばれてしまう。二人は人工衛星さ、の歌詞に鳥肌爆発。でも、新天地って、こうして聞くと不思議な響きの言葉ですね。しんてんち。⭐⭐⭐⭐


07 東京に雨が降っている

《昨日までの自分~》《濡れた街を歩いてゆこう》のリフレインを一緒に歌いたくなる。聴けば聴くほどクセになる。最近の元春のミディアムテンポのナンバーでは一番好きかも。⭐⭐⭐⭐⭐


08 悲しい話

最高最高。元春が怒ってます。「俺は最低」「君のせいじゃない」系統のブラック元春が降臨した短かめのブルース。やはりアルバムに一曲はこういうのをやってくれないと元春じゃない。こういう強い口調の歌詞を吐き出すのはさぞ痛快でしょう。⭐⭐⭐


09 少年は知っている

少年讃歌です。BOYSにJUMPさせるのはちょっとスライダースっぽいけど、エイトビートの疾走感がご機嫌なロック。この街のジャズに紛れて、のフレーズはアルバム『ザ・サークル』の「欲望」からの引用。《この夜の息の根を止めてやれ》はお見事なキラーラインです。⭐⭐


10 いばらの道

これは優しい。シンプルで地味な曲だけど、ただただ優しい。全ての市井の人へ捧ぐ、ねぎらいの歌に聴こえる。《ここは / いつかきた道》は北原白秋の引用っぽい。ちなみに僕はこれを聴いた時、いばらの道、が桜の道に感じました。音が桜並木を連想させてくれたのです。⭐

 

 

ファンの欲目込みですが、良いアルバムです。シングル多めなので寄せ集めに感じる人もいそうですが、曲が充実しています。なにより、前々作『マニジュ』では、メロディの起伏がどの曲もわりとおとなしいなーと思ったけど、嬉しいことに今作はメロディが復活、爆発してます。『或る秋の日』もそうだったけど、どの歌も美メロばかりで、これは嬉しい。


でも、こうなると、7月に出るという14曲入りの第二弾アルバムはかなりヤバそうですよ。大傑作の予感しかない。楽しみです。


しかししかし、です。この春アルバムが前菜、前置きで、夏アルバムこそ本命メインディッシュ、って考える人もいそうですが、それはこの『ENTERTAINMENT!』にちょっと失礼。これはこれで良いですよ。シングルしか聴いてない人、残り5曲の新曲を含めてアルバムで通して聴いて、絶対損はないです。



昨日がツアー初日だった元春、今回のツアーはまだ行けそうにないですが、第二弾アルバム聴いたら、もう我慢できない気がする。そしたら、元春に会いに行きたい。

 



こういう音楽を聴くと、元気をもらえます。来週は久しぶりに僕、マシスも人前で歌います。気合い倍増頑張ります。


開演は12時半から。マシスは13時半から歌います。よろしければお運びくださいませ。



マシス