『Unnamed Memory』というお話をご存じでしょうか。僕は昨年知って読み始めたのですが、2008年に個人サイトに投稿されたWeb小説が、とても話題になって書籍化された作品らしいです。僕が知らなかっただけで、本好きの間ではとっくに有名な小説なのかもしれません。

4~5年前だったら僕は《ネットで本は読まない。紙に印刷されたのを手にとって読みたい》と言っていたけど、こういうのを見つけちゃうとポリシーも何もなくなる。だって面白いんだから仕方ない。

無料で本を読めるサイトで見つけて、毎日ちょっとずつ配信分を読み進めて、ちょうど三巻のところまで読み終え、《えーーー!?》となり、もう、矢も盾もなく堪らない続きが読みたくなってしまいまして。そうなると、ネットの配信なんて待ってられない。中古本で出てないかと検索してしまいましたよ。

THE大人買い。

ぜんぶブック○フのネットで買いました。安く買えたけど、最終巻の六巻だけは無かった。でも、五冊で読みごたえ十分です。早速、未読の四巻と五巻を読んで、いま最初から読み返しているところ。やぁ楽しい。ここ数日、幸せな読書時間を味わいました。


物語は、ある国の王子が《願いを叶える試練の塔》に住む魔女の元を訪れる、というシーンから始まります。王子オスカーは自分が幼少期に《沈黙の魔女》にかけられた呪いを解いてもらおうと、塔の試練に挑戦する。塔の最上階まで辿り着き、達成者となったオスカーをそこで魔女が出迎えます。これがオスカーと《青き月の魔女》ティナーシャとの出会い。

ティナーシャはオスカーの契約者となり、一年間の約束で塔を降りて呪いの解析をすることになるのですが、ここまでがプロローグで、ここから長い長い《名前のない》物語が始まります。

壮大な大河ドラマ『Unnamed Memory』は、壮大なのにテンポ良くサクサクと読めます。ひとつの本にいくつかの事件を散りばめてあって、連作短編集のような楽しさもある。

事件が起きて
ティナーシャとオスカーが活躍して
解決
また事件が起きて
ティナーシャとオスカーが活躍
解決
またまた事件が・・・

このシステムはシャーロック・ホームズとか、夢枕獏の『陰陽師』シリーズのような良質の短編に通じる、と読みながら思いました。事件が起きて→博雅と晴明が出向いて→解決、の黄金パターン。

次々と事件が連なることで、長いお話なのに中弛みがしなくて飽きない。そして、それらの一見ばらばらに見えた事件が、実は大きな物語の歯車のひとつと、読み終えた時に気づくのです。

読み返してみると、一巻の時点ですでに物語の終盤を暗示する伏線がけっこう大胆に書いてあって、読み返して本当に驚きました。書籍化された時におそらく修正加筆はあったでしょうけど、おそらく作者、最初っからこの込み入った物語の構造をちゃんと念頭に置いて書いてたということか。すごいね。

ティナーシャとオスカーの会話の楽しさ(夫婦漫才のような?)も、陰陽師の晴明と博雅の仲良し萌えに通じるかな。この二人の問答がいちいち可笑しくて、読みながら笑ってしまいます。

昨年からマンガの連載も始まってます。絵がかわいいです。

ティナーシャは四百年以上生きているけど、16~17歳の容姿をしている。これは魔法で若返っているのでなく、成長の時間を止めているとティナーシャは言います。

小説の一巻で、大怪我をしたティナーシャが傷を治す時に、代謝を加速するため止めていた時間を動かし、19~20歳の容姿に成長します。それは元に戻るのか?とオスカーに聞かれたティナーシャは、戻りません、と答えます。一旦進めた時間は決して戻らない。魔法で例え姿を子供に変えることはできても、魔法を消せば元に戻ってしまう。

怪我は魔法で治せるのに、痣を消すのは難しい、というのも、そのルールだとなんとなく説得力を持ちます。痣を魔法で見えなくすることは出来ても、それは化粧で隠すのと同じで、治したことにはならない訳ですね。

このルールが、実は後々になって物語のとても大事な核になってると、気づいた時は痺れました。

マンガ『鋼の錬金術師』では人体錬成は禁忌で、失った命は戻らない、人の命を創ることは絶対叶わないこと、やってはならないことと書いてました。『Unnamed Memory』も魔法を万能の力と書いていなくて、とても興味深かったです。

時は決して戻せない。そもそもオスカーはなぜ呪いを受けたか、でも呪われなければティナーシャとも出逢わなかった?

これは近日中、本屋でうっかり六巻を買ってしまいそうです。続きが読みたくて仕方ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


お知らせです。【3月フリーダム中止】3月12日(土)に予定していた第178回フリーダムフォーク集会は、静岡県の蔓防延長の知らせを受け、中止となりました。関係者の皆さん、ギリギリの判断となってご迷惑おかけしてスミマセン。


第178回フリーダムは5月21日(土)に持ち越しとなります。よろしくお願いします🙇

もし今後、開催日にマンボウがぶつかるような際は、開始時間を17時~18時に早めて20時に終われるよう開催したらどうか、という案もいま挙がっています。まだ決定ではありません。《時間が早いと参加が難しい》、という人もいるでしょうし、ひとつの案として、演者さんやお店、スタッフといろいろと相談して、今後も方法を探っていきたいと思っています。楽しい演奏の場が作れるよう、皆さんご協力よろしくお願いします🙇

第178回フリーダムフォーク集会
【日時】2022年5月21日(土)
    19時半開演
【場所】ライブカフェ mamselle
袋井市堀越1802-1 TEL 0538-42-6440
http://mamselle.sakura.ne.jp/
【料金】music charge 500円

3月にエントリーして頂いた演者さんに、引き続き5月への出演をお願いしています。出演希望の方はお店の方へ、もしくは僕に連絡くださいね。


マシス