先週末の土曜日(11月21日)に大好きな友部正人さんをエスケリータ68で観る予定でしたが、当日になって諸事情によりキャンセル。オーマイガー。うーん残念。
 
自分で決断したことですからグチは禁物ですが、当日キャンセルなんてやらかして、お店と友部さんには本当に申し訳ないことして(キャンセル料は振り込みました)ご迷惑かけてスミマセン。

この日も素敵なステージだったとポテティ中村さんからメッセージを頂きました。さぞ良い夜になったことでしょう。うーん、次回は是非とも観たいぞ。
(友部さんどうぞ元気で、また静岡に歌いに来てくださいませ)
 
金曜日に人間ドックが受けられなくて、土曜日に友部さんに会えなくて、日曜日にタブレットの液晶が割れた。いろいろとままならない出来事だらけの週末でした。タブレットは保険とポイントで無料交換できたので、こうしてようやく日記を書いています(データの移動って難しいかと思ったら意外とあっさりできた)。


いろいろあった週末、そんな訳で土曜の夜は部屋でひとり、大音量で友部さんを聴いていたのです。友部正人の歌にすがりついて、慰めてもらう如く。

個人的にあまり聴きつけていない初期のアルバム『にんじん』から『誰もぼくの絵を描けないだろう』あたりまでガッツリ。僕自身は90年代からの友部さんの作品に魅せられた者ですが、初期の名作はやっぱり熱量が凄いよなぁ、と、しみじみと聴き入りました。

 
友部正人は1972年にデビューして、もう50年近く歌ってらっしゃる。70年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代と、その時代ごとに音だったり、歌い方だったり、言葉使いだったりの変化はあれど、クオリティの高いアルバムを出し続けてます。この質と量の両立はスゴいです。聴く人によってどの時代が好きとか、好みも当然あるでしょう。
 
 

 唐突な例えですが、ボブ・ディランの60年代の名作『ハイウェイ61』やら『ブロンド・オン・ブロンド』は、最初に聴いた時、僕はその良さがピンとこなくて、僕がディランにハマる糸口になったのは70年代の『血の轍』『プラネット・ウェイブス』『インフィデル』あたりの作品でした。その辺のアルバムはアレンジが聴きやすかったのです。


で、同じことが友部さんにも言えるだろうなーと、友部初期のアルバムを聴き返しながら思ったのでした。初期は素晴らしいのだけど、親しみ易さで選ぶなら、日本のディランと名を馳せたフォーク期の70年代よりも、80年代のポップな作品がいい。90年代以降ならさらにいい。ベストアルバム『ミディの時代』の友部さん作品とか入門編として面白いんじゃないかしら。


【一見の人が聴きやすい友部正人の歌】を、勝手に考えた。




曲を挙げるなら「朝は詩人」「愛について」「遠来」。この三つなら順番はどれから聴いてもいい。そのかわり、三曲フルコーラスで飛ばさずにじっくり聴いて欲しいです。

 
 
「朝は詩人」(アルバム『奇跡の果実』収録)

 これは本当によく出来たシングルだと思います。誰が聴いても良い曲と言うでしょう。友部さんのポップな一面と現代詩のバランスが絶妙。友部作品にしては言葉がちょっとキレイ過ぎるというか、優等生過ぎて引っ掛かりが少ない印象もあるけど、僕はこの一曲で完全に友部正人にハマったので思い入れはヒトシオです。


《朝は音もなくやってきて / 戸口にメモを残してゆく/

たくさんのメモの木洩れ日が / 風が吹くたび揺れている》

(朝は詩人)

 

 
「愛について」(アルバム『6月の雨の夜、チルチルミチルは』収録)

 矢野顕子さんもカバーされているこの歌。夕暮れの帰り道、母と子の情景がスッと脳裏に浮かぶ。わりと散文的な詞の多い友部作品の中で、これほどまでにストーリー、ドラマをはっきりと伝えてくるのは珍しいです。予備知識なしで聴いても内容はストレートにわかるので入門編に良いと思います。カバーして歌うと大変ウケるので、もう何回この歌を歌わせてもらったことか。


《つかまえた、と壁に映った母の影が言う

つかまえた、と壁に映った子の影が言う》

(愛について)

 
 
「遠来」(アルバム『ポカラ』収録)

もっとも感動的な友部作品のひとつ。異国に住む友達を思う歌であり、国と国の間の紛争までも歌ってる。最終的には地球を飛び出して空から地表を眺めてるような、脳天のシビレル歌。最後の一行が素晴らしくキラーラインで、何回聴いてもそこで鳥肌が立つのです。


《夜になると街の灯がつながって

ひとつになるのを見たことがある》

(遠来)


 

 親しみ易さ、という一点ならこれもオススメ。

「Speak Japanese American」

 アメリカ人よ、日本に来たら日本語を喋れ!キャッチーで楽しくてこれこそシングルっぽい。けどシングルじゃないのです。歌詞中盤のシンディ・ローパーのエピソードはおそらく実話なんでしょうね。バックの演奏はマーガレット・ズロース。


 

 ポップな歌で友部正人の免疫がついたところで、友部正人の凄さを味わうための一曲。


「びっこのポーの最後」(アルバム『1976』収録)

 友部版ライク・ア・ローリングストーン。びっこ、が引っ掛かって放送禁止になった歌。ライブで聴けると最高に嬉しい。びっこのポーもちゃんとモデルがいたんだそうです。僕が最初に友部正人を意識した楽曲。

 


「乾杯」(アルバム『にんじん』収録)

 友部さんのトーキングブルースの中でも、これがとにかく最高。次から次へと繰り出される名フレーズの嵐。昨年のオールリクエストのライブでいきなり一曲目に「乾杯」が出た時は嬉しかったなぁ。

 

 

「一本道」(アルバム『にんじん』収録)

ファンにとってはベタすぎる、友部正人の代表作。皆が衝撃を受けたと言うあまりにも有名な中央線のくだりは、地方に住む僕にはリアリティーがそれほどでもなく、あそこを感動しきれないのは残念。でもそれを差し引いても名曲。


 

ベストアルバム『ミディの時代』には友部さんの還暦祝いのトリビュートライブのDVDが付いてます。これが素晴らしい映像で、しょっちゅう観てます。面子も凄けりゃ選曲も素晴らしいのです。




コロナ騒ぎは全く気が滅入ります。遊びの誘いも受けられないし、家族もピリピリしてるし、やりきれんなーと思うけど、安全第一。音楽を心の糧に、思い詰めず柳に風な心持ちで。



マシス