脱力してます。森ほたる音楽祭の日記と前後しますが、先月よりずっと心に重くのし掛かっていた、《大人念仏》が無事、かどうかわからないけど、終わりました。ようやく心の平穏が来た。本当に終わってくれて良かった。

大人念仏、といってもピンと来ない方もいるかもしれません。僕の地元では《盆車》といって、小学生が初盆のお宅へ伺って、お念仏を歌う風習があるのです。子供念仏とも呼ばれてます。

↑これが歌詞カード(他にもあります)。こんなのを合唱するのです。この二曲は僕もいまだにそらで歌えます。

で、大人念仏です。大人念仏、つまり大人の有志で集まって、初盆のお宅へ訪れ、お念仏を歌って回ったのです。

事の始まりは何年か前のこと、その年は小学生の人数が少ないため、子供念仏が回れないって時がありまして、その際に《初盆のお宅が念仏で供養できないのはいかがなものか》と、地元の青年が声をあげ、急遽有志を集い、可愛い子供ならぬ、野太い声の親父たちが念仏を歌って回ったのがきっかけでした。

この時は急な召集にも関わらず、大勢の有志が集い、相手のお宅にも喜ばれて、ああ、やって良かったねーと盛り上がったのでした。以来、《今年も大人で念仏やらまいか》と声が上がるたびに、有志召集の伝令が回るようになったのです。


で、今年です。大人で念仏をやりたい、と話があがった際に、僕が段取りの役目を仰せ付けられまして、たいへん困りました。こういった行事は不勉強不案内な上に、人の先頭に立ってアレコレと音頭を取るのがとても苦手な僕です。

でも今回、昔からたいへんお世話になっているお宅が初盆ということもあり、これは快くやるべき案件、と役目を受けました。本当はイヤで逃げ出したかったけど、心を込めて務めるしかない。そういう時はあるものです。


それから本番まで二ヶ月もの間、どれだけアクシデントや面倒があったことか、愚痴っても仕方ないので詳細は書きませぬ。とにかく終わりました。不慣れな僕の段取りを案じて、フォローしてくださった町内の方に感謝。ああ、終わって良かった。いっぱいいっぱいだったので客観的になれませんが、伺ったお宅に喜んでもらえたことを祈ります。


余談1。念仏はとにかく大きな声で歌わないといけないから、子供も大人もたいていガナるような発声になって(棒歌いが基本)、みんな盆車が終わる頃にはガラガラ声になってしまうのですけど、僕は森ほたる音楽祭で歌うことが予定にあったので、ひとり正しい発声で(腹から声を出して喉に負担をかけないよう)歌ってました。そしたら、《お前だけオペラ歌手みたいな歌い方だ》と伺ったお宅で言われてしまった。仕方なかったのです。


余談2。大人の念仏を別として、ご近所が初盆となれば、お盆の間はいろいろとお手伝いがあったりするのです。田舎なもので、それも仕方ない。
↑セガキ台、といいます。字はわかんない。

↑こういう準備もするのです。たい焚き、という行事です。竹を並べた上に松を積み、松の木に火をつけて、その間に親族が御焼香をします。意味はよく知らないけど、竹の節が破裂する音で故人を迎える、といったことだろうと想像します。




余談3。
お墓参りにいったら、墓石の隙間にカエルがいた。


マシス