歌の感想をもらえるのは本当に嬉しいことです。良い感想でもキビシイ感想でも、それをわざわざ伝えようと思ってくれたことが、まずもってありがたい。

僕なんかですと、ステージを観て感動しても、なかなかそれを直接本人に伝えるのは二の足を踏むところがある。知らないヤツからいきなり話しかけられても困るだろうって思っちゃうし、社交性が追い付かず、つい気後れしてしまうのです。

でも、もし自分が言われたらと考えたら、やはり嬉しいんだから、自分が嬉しいことは人にもちゃんと伝えておくべきだよな、と思うようになりました。うまいこと言う必要ないから、とりあえず思ったことを素直に、カッコ良かった素敵でしたと言う。もともとない社交性フル稼働で伝える。


先週の浜松POPS倶楽部では、ママがすぐ感想を僕に教えてくれました。ママはいつも本当に丁寧に聴いてくれて、鋭いことを笑顔でサラッと言ってくれるので、本当にありがたい。こんなにしっかり聴いてくれてるとわかると、歌う方も気が引き締まります。ちゃんとやるぞ、って思う。

同じくこの日のPOPS倶楽部にて、お客さんの一人が僕の歌を聴いて《字のない絵本を読んでいるかのようでした》とステージ後に言ってくれた。もう、この感想が美しい。僕の歌よりもずっとずっと美しい。声をかけてくれただけでも嬉しいのに、ありがたや。

そして、イメージしたという絵本作家の名前をあげてくれた。検索した画像を見て、おおー、と声をあげました。
ガブリエル・バンサンという女性作家の絵本「アンジュール」。どこかで見覚えのある。この表紙絵とタイトルを見て、僕がパッと思い出したのは、僕の大好きな佐野元春。

元春の曲のついてない詩の中にを「アンジュール」という詩があって、それって、この絵本からインスパイアされて書いたのかも、と、とっさにピンときたのです。詩の中に出てくるお腹を空かせた犬が、この表紙の犬の絵と重なりました。

この「アンジュール」という詩、矢野顕子さんが曲をつけて歌っています。
この歌に関して、ある音楽評論家が、《「アンジュール」みたいな高級な詞を自分で歌おうと思わなかったのか》と佐野元春に聞いて、それに対して元春は《僕は歌詞に高級も低級もないと思ってる》とサラッと交わしてたのをよく覚えてます。とても佐野元春らしい切り返しですね。

ちなみに、「アンジュール」は矢野顕子の『グラノーラ』ってアルバムに入ってます。矢野顕子と佐野元春の至極のデュエット「自転車でおいで」が入ってるアルバムです。

ガブリエル・バンサンの名前を知れたのは嬉しい。実際に読んでみたくなりました。


今週末は僕は家でお留守番。これから連れ合いはエスケリータに行きます。とんちピクルスとラフレシアの共演。行かれる方はどうぞ楽しんで来てくださいね。