以下、佐野元春のロッキン・クリスマス2018の初日ネタバレを含む感想です。アメンバー限定日記ですが、これから行かれる方で内容を知りたくない方はご注意下さいね。そしてくれぐれも内容漏洩にお気遣い頂けるようお願いします。

(ツアーも最終日を過ぎたので、日記を一般公開します)





《この歌を聴けただけで、もう満足!》そういう瞬間が、何度も何度も起きた夜でした。


元春は今年【マニジュ・ツアー】【禅ビート・ツアー】そして今回東名阪での【ロッキン・クリスマス2018ツアー】と、三回もツアーに出てくれて、ファンとしては嬉しい限りです。

ロッキン・クリスマスへの参加は、僕は恵比寿ガーデンホールでの第一回に参加した以来。そうそう東京までは行けなくて、足が遠退いてましたが、今回名古屋で、それもツアー初日となれば、俄然行きたくなるというものです。先月までやってた禅ビート・ツアーに行けなかった悔しさも含めて。


会場に入ると、Zeppの内装がすっかりパーティー仕様。そしてスタッフもお洒落してました。会場内の撮影は禁止といきなり言われたので、写真撮ってませんが、いつものライブと雰囲気がぜんぜん違います。すごく特別感あった。

販促と同じフロアに、オードブルやスイーツが500円で売ってました。この日はなんと、会場内での飲食が自由とのこと(!)こんなの初めてです。でも場内アナウンスは《会場内での飲食は禁止》ってゆってんの。まさか二階席だけOKだったとか?開演前からみんな普通にビール飲んでて、これからコンサートなのにいいのかしらって、すげえ不思議な気がしました。

僕は車を降りる時にドーナツを一個、一応お腹に入れてきたけど、せっかくなのでウインナー&ポテトとスイーツを買いました。セットで買うと800円とお得。

オードブルはチキンとかもあって、迷いました。ウインナーはピリ辛でなかなか美味しかったです。ライブ前に水分は入れたくないので、飲み物は我慢。スイーツはチョコレートとベリーのタルト。タルトは持ちかえって家で食べました。

場内の客入れ音楽はもちろんクリスマスソングです。確認できたのはジャクソン5の「サンタが町にやってくる」あと多分フィル・スペクターのクリスマスアルバムから何曲か流れてたと思います。


で、定刻19時ちょい過ぎに暗転。メンバー登場で大歓声の中、「白夜飛行」でライブスタート。カッコいい。年始めのマニジュ・ツアーで観た時とぜんぜん違うぞ。先月までの禅ビート・ツアーで叩き上げたであろう珠玉のグルーヴが会場中に響いて、素晴らしかった。一曲目からいきなり最初のピークが来ちゃってました。

クリスマスパーティーということもあってか、暖かなビートの曲が続きます。「君が気高い孤独なら」ご機嫌なリズムに会場が跳ねます。「バイ・ザ・シー」コーラスがばっちり決まってキレイ。

「悟りの涙」のイントロでは、ライトの点滅に合わせて元春がビシッビシッとブレイクして、そのアクションがカッコ良い。この歌はまた、暖かくていいですね。音も歌もあったかい。

そう、前回の禅ビート・ツアーで歌われた楽曲が、今回、本当に本当に良かったです。「いつかの君」も「新しい雨」もスゲー進化してる。正直、禅ビートツアーのセトリを知った時、《なんだマニジュのツアーとほぼ一緒じゃん》と、観れなかった悔しさからか、ちょっと不届きを思ってたのですけど、甘かった。いざ生で聴くと、バンドと曲がグンと成長してて、こんなにも凄いことになってたとはコヨーテハンパない。行った人があんなにも誉めてた訳がようやく解った気がしました。

初日とあってか、元春の声がよく出てた。上下黒のスーツが決まってます。そんなに飛ばして大丈夫かってくらい、声も動きも弾けてて、観客の反応もすごくいい。Zeppって音が良いです。ホールの大きさが音響に調度良いのでしょうね。

芸術劇場はデカイわりに音がいいけど、やはりライブハウスの音響は腹に響きますよ。音とビートでこちとら身体が自然と弾むのです。

ついに名古屋で初演奏された「みんなの願いかなう日まで」。僕もフルコーラスをようやく聞けました。これは良い歌ですねぇ。《いろんなことがあって/みんな今ここに居る》歌詞もばっちり胸に飛び込んで来た。フルで聴いてしみじみ感動しました。

「純恋」はもう、言うことなし。会場が完全にひとつになった。これはファンみんな大好きでしょう。大爆発大喜びって感じです。いまの佐野元春はこんなにも凄いんだぜ!ってアンセム。この演奏を観て聴いて心が熱くならない人なんていない。いるわけがない。すべての音楽ファンに体感してほしい光景を二階席から目と耳に焼き付けました。

8曲渾身の演奏して、休憩。トイレが行列になって混んでいた。僕は水分は入れてなかったけど、みんなビール飲み過ぎだと思う。あと喫煙スペースもクシャクシャに混んでた。


二部では元春、白の上下に着替えて登場。「世界は慈悲を待っている」で柔らかく客を揺らした後、自ら椅子に着席。お客さんも《良かったら座って聴いて》と座らせました。

《少し静かな曲を聴いてもらいたい》と言って始まった「君と往く道」。これ、僕はおそらくライブで初めて聞けた曲。他愛もないラブソングにニヤニヤします。そしてアッキーの静かなアコギに合わせて「詩人の恋」。コヨーテバンドが録音したバラードの傑作。これは個人的に聴けてすげー嬉しい。《気まぐれな運命/二人を分かつその日まで/私たちはずっと共にいる》超絶に良い歌ですよ大好き。

元春のアコギが冴えた「虹をつかむ人」と、アルバム『ゾーイ』から三曲続いて、まさかのイントロが(!)2000年代の佐野元春のアンセム「君の魂 大事な魂」。思わず、よっしゃ!と僕は小さく叫びました。いやー、よくぞ復活させてくれました。

もし2000年代に「サムデイ」に代え得る歌があるとしたら、絶対にこの歌だと思うのです(作品の内容でなく、ライブ効果の意味で)。HBKの演奏の最高峰の名曲だけど、こんな凄い歌をHBKに遠慮してライブでやらないなんて、絶対にない。この歌はライブでやってもらわなきゃいけない曲なのです。観客も大喜び大盛り上がり。「詩人の恋」と並んで二部のピークです。

「君の魂~」の余韻をそのままに「クリスマス・タイム・イン・ブルー」ここへきてようやく、コヨーテナンバーではない歌を2連発。なんて多幸感。

「ラ・ヴィータ・エ・ベラ」「優しい闇」はコヨーテナンバーの必殺の盛り上がり曲と化しました。この二つの歌はまるで兄弟のような歌だな、と僕は思います。そして個人的に2000年代に「アンジェリーナ」に代え得る歌は「ラ・ヴィータ~」だと信じます。まさにロッキンに観客を揺らして、本編終了。この時点でちょうど21時でした。


アンコールの声に再登場の元春は、赤のシャツに黒のベストにお色直し。

アンコールの一曲目は、ようやく元春クラシックの時間。まさかまさかの「ストレンジ・デイズ」。この歌をライブで聴くのはいつ以来?元春のボーカルはアンコールでも高音までよく出てました。最高!畳み掛けるように「ヤングブラッズ」。冬と言ったらやっぱりこの歌ですよね。《君だけを固く抱き締めていたい》の叫ぶようなヴォーカル。盛り上がらないわけがない。

《みんなまだ大丈夫?もう一曲行こう!》

赤のストラトをかけて、アンジェリーナかと思いきや、「彼女はデリケート」。この流れ、完璧でしょ。大盛り上がりでした。休憩中に《いかに最近の曲を聴いてないってことだなぁ》なんてファンの会話をウッカリ耳にしたけど、オールドのファンも文句なしアンコールですよ。

メンバー整列したけど、拍手がやまない。元春《時間大丈夫?みんなまだ大丈夫?みんな今日は平日だよ?(爆笑)》

で、ここでまさかまさかのあのビート。「99ブルース」。これもコヨーテで聴くのはずいぶん久しぶり。でもこの歌で締めか?と思ったら、締めはなんと「インディヴィジュアリスト」。前のツアーで大評判だったので、聴けて良かったけど、この歌が最後?もしかして?と思ってたら、やはり終わりだった。


コヨーテバンドは凄く良いバンドになりました。本編が、二曲を除いてすべてコヨーテとレコーディングしたナンバーで占めてたって、凄いことだと思います。この世代のミュージシャンでこんなこと出来る人いませんよ。

冒頭に書きましたが、本当に、《この歌を聴けただけで、もう満足!》そういう瞬間が、何度も何度も起きた夜でした。「白夜飛行」「悟りの涙」「みんなの願いかなう日まで」「純恋」「詩人の恋」「君の魂 大事な魂」「ラ・ヴィータ・エ・ベラ」「ストレンジ・デイズ」「ヤングブラッズ」「彼女はデリケート」どれも最高。他の歌ももちろん最高!


セトリ写真は大混雑を縫って撮ったのでピンぼけ。

【一部】
01 白夜飛行
02 君が気高い孤独なら
03 バイ・ザ・シー
04 悟りの涙
05 新しい雨
06 いつかの君
07 みんなの願いかなう日まで
08 純恋(すみれ)

【二部】
09 世界は慈悲を待っている
10 君と往く道
11 詩人の恋
12 虹をつかむ人
13 君の魂 大事な魂
14 クリスマス・タイム・イン・ブルー
15 La Vita e bella
16 優しい闇

【アンコール】
17 ストレンジ・デイズ
18 ヤングブラッズ
19 彼女はデリケート
20 99ブルース
21 インディヴィジュアリスト


思えば、ザ・サンのツアーくらいから、元春がライブ本編途中に休憩を入れることが多くなりました(もちろん休憩なしのライブもあるけれど)。それを最初見た時、僕は、ああ元春もいい歳だから体力的にもきついのだろうな、と淋しく思ったりもしてたのです。けど、今回のロッキンクリスマスでちょっと思ったのは、元春、自分のためというよりはおそらく、客のために休憩入れてんじゃないか、ってこと。

だって、周年ライブの時の3時間の尺のライブをやるんですもの。元春はやろうと思えば(そりゃキツイだろうけど)いまだに3時間ライブをやれるんですよ。そうなると休憩はファンを気遣ってるのでしょう。今回の休憩時のトイレの混みっぷりは凄かったから、あれをみたらつくづくそんな気がしました。

いまやファンだって《もう休憩?元春もだらしないな》と《休憩、ありがたい!》の意見で半々じゃないかと想像します。確かに、3時間ライブの時はタップリ楽しませてもらえたけど、終わった後、結構グッタリでしたからね。僕らファンも元気とはいえ、もういいお歳なのです。



うちに着いたのは23時59分。心地よい疲れのなか、良く眠れました。長文失礼しました。






マシス