最近、娘からの相談事で、《この歌のキーを変えて歌いたいんだけど》と、パソコンで音源を聴かせてもらうことがあります。自分のキーに合わないお気に入り歌を、気持ち良く歌える高さにしてほしい、と。

キーが苦しいなら、適当に上げ下げすればいいじゃん、なんて、僕なんか気軽に思うのですけど、娘からすると、さんざん聴き馴染んだ歌のキーは、身体に刷り込まれてしまっているのだそうで。

例えば高音が苦しくても、半音とか一音とか下げて歌えなくて、そこは一オクターブ下に潜る、と言うのです。耳が良すぎて融通が利かない感じです。

《頭ん中でカポつけんだよ》と僕は冗談で言うと、《出来るか》と笑って怒られました。そこで僕は、聴いた音源のコードを拾って、娘の歌えるキーに変えて、《これでどうよ》とギターで伴奏を弾いてみた。すると、娘《バッチリ》と、ひとしきり熱唱して、一件落着です。

こういう作業は僕、昔からしょっちゅう一人で遊びでやってたことだから、お安い御用で。こんなんでお父さんの株が上がるのは嬉しい。

《歌詞の上にコード書いておいて》と頼まれれば、書いてやる。ただし、《父さんの耳コピは完璧じゃないぞ》と言い訳は前置きします。とりあえずのコードですから、正確さまでは保証できませぬ。


そんなこんなで、僕が普段聴かないタイプの歌のコードをいろいろとギターで弾いてみてるのですが、中には全くコード進行がわかんないのもあるし、《やるなぁ》って感心するのもあって、なかなか勉強になります。

困るのは、数日後に《あれ、また弾いて》って言われることです。初めて聴いた歌を一、二度通しただけですから、時間が経つともーう、何ひとつ覚えちゃいない。また聴き直しになるのがチトめんどいのです。


話は逸れますが、娘のオススメを聴かせてもらいながら、たまに《父さんはこういう歌歌うといいのよ》とアドバイスも貰うのです。娘いわく、僕の作る歌はメジャーコードばかりだそうで。たまには暗い歌を歌えと。

メジャーコードばかり、ってのは確かに当たってます。前にも日記に書いたけど、鼻歌で浮かぶメロディが明るいメロディが多いのです。歌詞は暗いので、決して明るい歌はないのですけどね。マイナー調で切ないメロディが彼女の好みなのでしょう。

先日、鼻歌で浮かんだフレーズに、途中で転調してるのはわかるんだけどコードがどれかわからないって箇所があって、いろいろと試し弾いていたら、横にいた娘が《それ何を弾いてるの》と聞いてきた。

さっき浮かんだメロディのコードを忘れないように探してるんだよ、と答えると、《まーた明るい歌?》と呆れられました。えー仕方ないじゃん、浮かんだんだから。でも、良いフレーズでしょ。


でも、《私はそっちだと思う》とコード探しに娘が協力してくれました。こういうのも、ウチら親子の遊びでもあります。


娘も来年は中学生なので、こういう距離感で僕と遊ぶのも、そろそろ難しくなるかもしれません。蜜月がいつまで続くか。ウザがられぬよう、仲良くやっていきたいものです

↑蜜月初期の写真


マシス