準夜勤帰りの夜中に(朝方か)BSで深夜番組を観ていたりします。先日録画した番組ではアズテック・カメラの演奏シーンが放送されていました。若きロディ・フレイムの動く姿がとても格好良かったです。


この放送は、昔のイギリスで放送されていた【THE TUBE】という80年代の音楽番組の編集盤とかで、1時間番組の中で11組の演奏が毎回流れているようです。番組表に興味深いミュージシャンの名前が並んでいて、何気に録画予約をしておいたのです。
ひょっとしたら知らないミュージシャンの掘り出し物があるかも、と、準夜勤から帰宅した時に観ては消して、を毎回繰り返していました。
で、この回は大当たりでした。アズテック・カメラを消す訳にはいきません。3曲も演奏している姿を観れて嬉しいな、ロディめちゃめちゃギター上手いなぁ、と喜んでいたら、アズテック・カメラの次に出てきたのが何と、プリファブ・スプラウト!僕は歓喜と驚きで《うおおお》とテレビに向かって吠えてしまいました。
まさかまさか、プリファブ・スプラウトの演奏シーンが観れるなんて。パデイ・マクアルーンが動いているよ。ウエンディと並んで唄っているよ。「ジョニー・ジョニー」たった1曲でしたけど、これは永久保存の映像です。スミスの演奏を減らしてプリファブ・スプラウトの演奏シーンをもっと観せて欲しかったなぁ。
バンドなのに、エレキでなくアコースティックギターをフューチャーしたサウンド、俗に言われる《ネオアコ》と呼ばれるムーヴメントには、僕は個人的な思い入れは少ないのです。ただ、ネオアコムーヴメントの立役者、アズテック・カメラのロディ・フレイムのソロ作品が大好きで、そこからアズテックカメラに遡った形で、順序が逆ということです。
プリファブ・スプラウトも、ネオアコの超絶名盤と呼ばれるアルバム『スティーブ・マックイーン』には僕は何も感じなくて、その次の『ラングレーパークからの挨拶状』が死ぬほど好き。『ラングレーパーク~』以降のアルバムはどれもパデイ・マクアルーンの天才が爆発していて、人間はいったい何を見聞きしたら、これ程までに綺麗な音楽を紡ぐことができるのかしら、と、聴くほどに恍惚としてしまいます。
あまりにも素敵なその音楽は、天才が狂気の世界に足を突っ込みながら、文字通り魂を削って創造したとか思えない。こんな美しい世界が頭にいつも見えている才能を抱えていたら、正気を保つのは大変なんじゃないか、と素人目にも思ったりします。
パデイ・マクアルーンの詳しい内情はぜんぜん知らないし、調べる気もないのですけど、僕がパディを見ていて感じる危うさは、どこかビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンにも通じるものです。聴いていると、あたかもこちらの魂も連れていってしまわれそうな、その音楽の素敵さゆえに妄想させられるのです。
気が狂うまで音楽に没頭せずとも!どうか健康で音楽を楽しんでくれよ、と凡人の僕としては思うのですけど、パデイにとって音楽を創造するってことは、そういう単純なものじゃないのでしょうね。矛盾するけれど、そういう狂気を孕んだ魅力ってのも求めてしまうところって、あるのです。無責任な話です。
プリファブ・スプラウトやロディ・フレイムのライヴは、一生に一度でいいから観てみたい。パデイが人前で演奏することは(体調のこともあって)もうないかもしれないですけど、スティーリー・ダンだってライヴ活動を再開したご時世なのだから、プリファブ・スプラウトやアズテック・カメラがライヴを再開することだって有り得るんじゃないか、と、思いたいです
マシス


