黒沢健一が生前に残したデモ音源が、黒沢健一にゆかりある友人達の手によって音が付けられ、CD化されたと聞き、これは何としても手にいれなければ、と注文しました。

 

仕事納めの準夜勤を終えて帰宅すると、届いていました。嬉しい。風呂上がりに早速聴いています。


 

亡くなったミュージシャンの未発表音源、それが本人のあずかり知らぬところで発売、というと難癖も聞こえてきそうですが、そこはマァ黒沢くんへの愛ということで。作ってくれなきゃ、こうしてこの音源を僕のようなファンが聴くこともなかったのです。

 

全16曲。歌詞のないラララで歌われた曲は2曲、黒沢君のヴォーカルでない別のヴォーカルの歌は4曲。名曲もあれば佳曲もあり、どれも未発表にしておくにはもったいない、黒沢君らしいポップで変なコードを散りばめた良い歌ばかりです。1曲目のイントロのドラムでいきなりL⇔Rへのオマージュが飛び出します。

 

アルバムタイトル曲「Hear Me Now」は文句なし。このままどのアルバムに入っていてもおかしくない名曲。これが聴けて良かった。

 

ラストに入っている「19 Aug.1987」はタイトルの通り、黒沢君が19歳の時に作られたものでしょう。L⇔Rの活動の頃のでしょうが、このラララのデモがまぁ凄い。恐ろしい才能。

 

他の人が歌う黒沢ナンバーも、思ったより違和感ありません。違和感がある人もいるけど、それは僕がそう感じたまでのことで、気にならず楽しめる人もいるでしょう。

 

大好きな黒沢健一の声も、音も、CDを聴けばこうやっていつでも会えます。音は永遠に残るのです。

 

これはデモとして録った音源で、いつ録られたかは(ラストの曲を除いて)不明ですが、黒沢君はきっと新作のためにも用意していたに違いない。そう信じたい。

 

ミュージシャンの死後、ボツ音源が後からゴソッと発売されることはよくあります(商魂たくましい)。聴いてみて、《こんな素晴らしい音源が眠っていたなんて!》と感激することもあれば、《やっぱりこれはボツだよな》と思うこともある。ボツ曲にした音源を死後発表されちゃうと、本人は、参ったな冗談じゃない聴かれたくなかったぜ、と思ってるんじゃないか、と、つい考えてしまいます。

 

黒沢君のこのCDは、新作アルバムというよりは寄せ集めの感が、当然だけどあります。それでも、これらはボツ音源ではけっしてない。陽のエネルギー、とでもいうのか、いつか未来に発表してやろう、という前に向いたエネルギーがどの歌にも溢れているように感じるのです。

 

だから、黒沢君はきっと、この音源の発売をあっちの世界で喜んでいると思う。でも、あれだけこだわりの強い人だから、あそこの音はもっとああして欲しかったよ、とか、言ってるのかも

 

 

マシス